9.当院の新生児管理の特徴とメリット


当院では開業(1983年)以来、約12.000人の全ての赤ちゃんを対象に、出生直後の低体温と低血糖を防ぐための保育管理を行なってきた。当院の新生児管理の特徴は、@生後2時間の保温(保育器内収容:34℃→30℃)と、A生後一時間目からの超早期混合栄養である。この新しい保育管理法によって、発達障害・脳性麻痺の危険因子である低血糖症、重症黄疸、頭蓋内出血の発症をほぼ完全に予防する事が出来た。初期嘔吐をなくし生後一時間目からの超早期混合栄養を可能にしたのは、出生直後の赤ちゃんを保育器(保温+酸素)に収容し、低体温から恒温状態への移行を早め消化管血流量を正常に保ったからである。

カンガルーケア中の医療事故(ケイレン・呼吸停止・脳性麻痺)を防ぐ為には、寒い分娩室での生後30分以内のカンガルーケアを直ちに止める事である。
カンガルーケアをしたい場合は、分娩室の温度を赤ちゃんに快適な室温(中性環境温度:30〜34℃)に設定し直すべきである。

日本周産期・新生児医学界雑誌(平成21年12月)によれば、カンガルーケアは出生後できるだけ早期にできるだけ長く実施することが薦められる、と報告されている。学会が生後30分以内のカンガルーケアを推奨されるのであれば、事故(脳性麻痺)が発生した時に、誰が事故責任をとるかを明らかにされるべきである。カンガルーケア中の医療事故から赤ちゃんを守るためには、厚労省がWHO/UNICEFの「母乳育児を成功させるための10カ条」の後援を中止するしかない。