赤ちゃんに優しい病院(BFH)の内部資料

新生児科・産科スタッフ各位殿
新生児医療そのものの進歩や、母乳育児支援など新生児医療にまつわる状況の変化にともない、当院産科出生児での新生児センター入院の適応はそれぞれのスタッフ間で行き違いが起りやすく、適応を再確認する必要があると考え、以下の内容を提示します。出生後数日経ってからの入院が必要となることがあるとしても、出生早期の母子同室が非常に重要であることをご理解いただき、御協力をお願い致します。
 
入院適応
1、 出生体重 2200グラム未満
2、 在胎週数 35週未満
3、 35週以上の2200〜2300グラムの児は、児の状態、週数の多少、親の精神的安定度などによって決定する。
4、 体重、週数が十分の児でも、状態およびその後のリスクの高さにより必要であれば入院適応とする。
尚、当院産科よりの入院児は、母親が産科病棟滞在中は、児の状態が許せば、曜日等に関わらず産科病棟へ退院できることになっており、必要であれば経過観察目的での短期入院も可能です。

研修医の先生方へのお願い
当院産科では、母乳育児を推進しています。そのためにユニセフ、WHOが提唱した「母乳育児を勧めるための10カ条」を実践し、BFH(赤ちゃんにやさしい病院)に認定されています。出生すぐからの直接授乳と母子同室はもちろん、医学的に必要と思われる場合*)を除き、糖水追加も極力行わない方針です。当然産科滞在児への人工乳投与は原則として行わず、必要な場合は許可制になっており、センター長の許可が必要です。また同様の理由から、黄疸、その他の原因で新生児センター入院になった場合でも、母親の母乳分泌に対する努力にむくいるためにも、「母乳が足りなかった」「脱水だ」といった説明は万一必要な場合にも非常に慎重に行っていただきますようお願い致します。

聖○○○病院母子総合医療センター
センター長 橋○武○

*)1)臨床的な脱水、あるいは生理的体重減少15%以上
  2)脱水による飢餓熱

  3)児および母親側の因子で直接吸啜が不能な場合