特集:本当は怖い、“妊婦の冷え性”
リトル・ママ8月号 より
久保田史郎 7月26日2009年

現代女性の約半分が「冷え性」といわれ、便秘やむくみの原因とも言われています。久保田産婦人科麻酔科医院(福岡市中央区平尾)の久保田史郎院長に妊婦の冷え性の問題点、その対策についてお話を伺いました。

低出生体重児の増加、冷え性が原因か!
お腹の張りや便秘、頭痛、肩こり、足のむくみなどを訴える妊婦さんが増えています。これらの体調不良の原因の1つが冷え性です。何らかの原因で手・足の血管が収縮し、各臓器(腸・腎臓・子宮など)を流れる血流量の減少が体調を悪くします。特に妊婦の冷え性には要注意です。冷え性は母親の手足の血流が悪いだけでなく、胎児に栄養・酸素を運ぶ子宮胎盤血流を妨げたり、子宮収縮を起こしたり、場合によっては最も怖い胎盤早期剥離につながったりすることがあるからです。近年、日本では低出生体重児が増えていますが、冷え性の女性が増えたことと無関係ではない様です。妊婦の体重増加は栄養摂取量と消費量のバランスで決まります。しかし、胎児の発育は主に子宮胎盤血流量の多少に影響されます。母親が栄養を十分に摂っても、慢性的な睡眠不足や喫煙などが原因で子宮胎盤血流量が減少すると胎児発育は遅れ低出生体重児の増加につながります。

妊婦の冷え性防止に生活習慣の改善と水中散歩を!
久保田産婦人科麻酔科医院では妊婦の冷え性対策や妊娠高血圧の予防のために水中散歩を取り入れています。水の力(水圧と浮力)を応用した水中散歩は、手足の血流のみならず全身臓器の血流増加によって体調不良を改善します。全身のすみずみまで温かい血液(37℃)を流れやすくする工夫(水中散歩・睡眠・栄養など)によって冷え性を完治します。妊婦が水中散歩をすると尿がたくさん出てむくみが取れ血圧が下がります。水中散歩には腎血流量を増やし妊娠高血圧症を予防する働きがあります。同様に、子宮血流量が増え子宮の張りがやわらぎ、早産・胎盤早期剥離を予防します。その他、消化管、脳、四肢など全ての臓器の血流が良くなることで、頑固な便秘、頭痛、肩こり、下肢静脈瘤なども驚異的に改善します。
女性の社会進出とともに冷え性で悩む妊婦さんが増えています。冷え性は過労、睡眠不足、タバコ、ストレス、痩せ、栄養不足、デスクワーク(PC)、運動不足などが原因です。冷え性は万病の元、特に妊婦さんは生活習慣を見直し、冷え性から胎児を守って下さい。

目次

1.日本の赤ちゃん、出生体重、戦前を下回る

2.低出生体重児を防ぐ当院の工夫

3.冷え性の原因とその対策(必見)

4.妊婦の生活習慣が、胎児発育に及ぼす影響

5.低出生体重児増加の問題点

6.当院の水中散歩の歴史

7.水中散歩の臨床効果

8.水中散歩で妊娠高血圧症を予防

9.水中散歩が、妊娠高血圧症を防ぐメカニズム

10.常位胎盤早期剥離を予防

11.妊婦を生活習慣病(冷え性)から守るために(必見)

12.低出生体重児の防止策は、冷え性の改善から(必見)
 
1.日本の赤ちゃん、出生体重、戦前を下回る

冷え性は日本人女性の約30~50%前後に見られ、現代病の一つと安易に考えられています。ところが妊婦の冷え性は、恐いことに消化管、腎臓、子宮胎盤などの臓器を循環する血流量を減少し、便秘や低出生体重児の危険因子である妊娠高血圧症、胎盤早期剥離、胎児発育遅延などの発症メカニズムと深く関与している事が分かってきました。医学が進歩したにもかかわらず、冷え性に関する科学的研究は全く進んでいません。その理由は、冷え症(末梢血管収縮)が冷え性になっているからだと思われます。昔から冷え性は“万病の元”と云われてきました。冷え性を科学する事によって、本当は恐い病気の“元”である事を理解して頂けると思います。下記の産経ニュース「低出生体重児増加」の理由も、冷え症と密に関連している事が分かりました。

産経ニュース:(2008年11月27日)
低出生体重児 (2500g未満) の赤ちゃん、急増!
日本の赤ちゃん、出生体重、戦前を下回る。
昭和55年~平成12年の20年間で約200g減少、母体の痩せ過ぎ・喫煙が影響。日本では低出生体重児(2500g未満)の赤ちゃんが急増 している。
厚労省統計では、全出生数に占める低出生体重児の割合が平成5年の6,8%から16年には9,4%に増加、平均出生体重はこの20年で約200gも減った。要因は女性の痩せ志向で、喫煙やストレスなども絡む。 新生児の小柄化は、少子化以上に深刻な問題。「出生体重減少の大規模調査・検証、出産適齢女性の健康確保など、国を挙げた取り組みが必要だ」と報じた(2008年)。

日本人の新生児の平均体重
昭和55年~平成12年の20年間

引用:MSN産経ニュース 2008年11月27日


2.低出生体重児を防ぐ当院の工夫

昨年の東京都における妊婦のたらいまわし事件が発生して以来、NICU不足が大きな社会問題になっています。国はNICU不足対策としてNICUの増設を強いられていますが、NICUに入院する赤ちゃんを減らすための工夫(予防医学)を見逃しています(下図)。NICU不足を改善するためには、重症黄疸(下図-D群)や、低出生体重児(2500g以下)の増加を防ぐ工夫(下図-C群)が必要です。低出生体重児は、早産(37週前)・多胎妊娠・妊娠高血圧症・常位胎盤早期剥離などを合併した妊婦さんに多く生まれます。とりわけ、妊娠高血圧症・常位胎盤早期剥離(早剥)の予防が最も大事です。妊娠高血圧症・早剥は、低出生体重児の原因としてだけでなく、胎児死亡・母体死亡の原因として母児二人にとって最も危険な産科特有の救急疾患だからです。




3.冷え性の原因とその対策

3-1 冷え性(末梢血管収縮)の原因 :
妊婦さんの不規則な生活習慣(行動・食事)、体質 、嗜好品 、環境因子などが、冷え性の主な原因です。これらの原因は、4つのグループに分類されます。

①過労、睡眠不足、タバコ、ストレス ・・・・末梢血管収縮作用(拡張不全)⇒静脈還流減少
②デスクワーク 、運動不足、痩せ・・・下肢筋肉(第2の心臓)の機能低下⇒静脈還流減少
③貧血、低栄養、低タンパク・・・・・・血管内血液量減少 ⇒末梢血管収縮⇒静脈還流減少
④低温環境・クーラー・・・・・・体温調節機構(放熱抑制) ⇒末梢血管収縮⇒静脈脈還流少

①~④の冷え性の原因に共通した生理学的特徴は静脈還流量の減少でした。即ち、冷え性の妊婦さんは、静脈還流量減少によって各臓器の循環血流量を妨げ、様々な病気になり易い事が分かりました。次に、低出生体重児の予防法について、当院の取り組みを紹介します。

3-2 冷え性の問題点(末梢血管収縮⇒静脈還流量減少)
手足の冷えは、末梢血管が収縮し手足と心臓との間の循環血流量が少なくなっている状態です。特に、下肢の末梢血管が収縮すると末梢血管抵抗が増し、下肢から心臓に戻る静脈還流量が減少します。静脈還流量の減少は、心臓と各臓器 (脳、消化管、肝臓、腎臓、子宮、手足など) との間を循環する血流量の減少を招きます。その訳は、心臓以外の全ての臓器には静脈血を心臓に戻す機能(ポンプ) がなく、静脈血は下肢から心臓に戻る静脈還流の力 (陰圧) に引っ張られて心臓に戻るからです。冷え性の妊婦さんに便秘症が多いのは、消化管血流が減少しているためです。冷え性の妊婦さんは同様のメカニズムで、腎血流量、子宮胎盤血流量も同時に減少しています。胎盤早期剥離の患者さんには、便秘や妊娠高血圧症が合併することが多いようです。その理由は、冷え性⇒末梢血管収縮⇒静脈還流量低下により、すべての臓器の循環血流量低下が同時に起こっているためです。


4.妊婦の生活習慣が、胎児発育に及ぼす影響


低出生体重児の増加は、冷え性(末梢血管収縮)が原因!
この20年、日本で低出生体重児が増えた理由は、冷え性(末梢血管収縮)の原因、つまり、足の筋肉(第2の心臓=心臓の補助的役割)が発達していない痩せの妊婦さんの増加、過労、運動不足、睡眠不足、喫煙、デスクワークなどが増えた事などが悪影響していると考えられます。下肢から心臓に戻る静脈還流量が減少すれば子宮胎盤血流量が減り、子宮筋・胎児に十分な酸素と栄養の運搬量が減るからです。戦時中(食糧難時代)の未熟児は、母親の栄養不足が原因でした。そのため昔は、妊婦さんはお腹の赤ちゃんの分と二人分食べない! といわれてきました。現代の低出生体重児増加の原因は、冷え性妊婦の増加によって、 「末梢血管収縮 ⇒ 静脈還流量減少⇒子宮胎盤血流減少⇒ 胎児の栄養不足」が主な原因と考えました。

厚労省は妊婦の栄養不足が低出生体重児の原因と考え、摂取カロリー量を増やすべきと指摘しています。しかしカロリー量を増やしても大きい赤ちゃん(肥満児)を増やすだけで、低出生体重児の改善策になるかどうか疑問です。なぜならば、現代の低出生体重児の増加は妊婦の栄養不足だけではなく、胎児に栄養を運搬する子宮胎盤血流量の減少、つまり冷え性の改善策こそが低出生体重児予防策と考えられるからです。

当院の最近3年間の成績では、2000~2500gの低出生体重児の発生頻度は、水中散歩の導入によって約10%から6%に次第に減少傾向にあるからです。(下図)

■安全なお産には、2800~3200gが理想




5.低出生体重児増加の問題点

東京都における妊婦のたらい回しは、NICU不足だけが注目されました。NICUに入院する低出生体重児がなぜ増えるのか、その原因と対策については殆んど議論されていません。NICU 不足・たらい回しを改善するためには、低出生体重児の原因である妊娠高血圧症、胎盤早期剥離・胎児発育遅延をいかにして防ぐかが “鍵”です。

妊娠高血圧症・早剥の母親から生まれる赤ちゃんは、低出生体重児、全身状態が極めて悪いのが特徴です。この様なハイリスク児は設備の整ったNICUに搬送され新生児科医が治療に当たります。一方、妊娠高血圧症の妊婦は血圧の変動が大きく、早剥の妊婦は出血が多く輸血が必要となり、この様なリスクの高い妊婦の緊急帝王切開には、全身管理を専門とする麻酔科医の協力なしに安全な手術は不可能です。たらい回しを防ぐためには、NICU不足の改善だけでなく、産科医不足、新生児科医不足、麻酔医不足の改善が必要です。医師不足の改善は勿論の事、胎児死亡・新生児死亡、妊産婦死亡の一位、二位を争う最も危険な妊娠高血圧症、胎盤早期剥離の原因を見つけ出し、予防する事は最も重要です。産科医がこれらの疾患を怖がる理由は、母児二人の生命を安全に守らなければならない義務があるからです。産科医不足が加速する理由の一つに、胎盤早期剥離の原因が分っていないこと、いつ胎盤が子宮から剥がれて出血するか予測がつかない事、母子に何らかのトラブルが発生した場合は、医療事故として産科医は裁判に立たされる可能性がある事などがあげられます。母児の命を守り、己を守るためには、産科医は何としてでもこれらの病気の原因と防止策を見つけ出さなければなりません。

■ところで、長年の妊婦の栄養と水中運動に関する臨床研究から、妊婦水泳・水中散歩に参加された妊婦さんには、重症妊娠高血圧症・早剥の患者さんが極端に少ない事が分かってきました。水中散歩をされた妊婦さんになぜ妊娠高血圧症、早剥の発症が少ないのか、水中散歩のメカニズム、その秘密に迫ります。


6.当院の水中散歩の歴史

6-1.妊婦水泳を始めた動機
1983年開業と同時に、妊婦の肥満対策・運動不足・体力不足・ストレス解消、Enjoy Maternity Life などを目的として、妊婦水泳を始めました。
ところが開業して25年間で約 11,000人以上の赤ちゃんが当院で生まれましたが、約半数の5000人の妊婦さんが水中運動 (妊婦水泳・水中散歩) に参加されました。最初の20年間(1983年~2002年)は妊婦水泳を、2003年以降は妊婦水泳から水中散歩に運動方針を変えました。その理由は、最初の20年間の妊婦水泳群 (2500人) に予期していなかった驚くべき臨床効果があったからです。そして、より水中運動の安全性と臨床効果を高め、一人でも多くの妊婦さんに水中散歩に参加して欲しかったからです。

6-2.水中散歩の想定外の臨床効果とは
妊婦水泳群に胎盤早期剥離が一人も発生しなかった事です。
開業して最初の20年間 (8500人中) の胎盤早期剥離の発生数は21人でした。水泳群と非水泳群に分けて発生率を比べると、妊婦水泳群は0% (0/2500人中)、非水泳群は0.4% (21/6000人)。さらに妊婦水泳群に重症妊娠高血圧症の妊婦さんが極めて少ない事も分かりました。水泳群(水圧+浮力)と非水泳群(重力)の違いの中に、妊娠高血圧症・早剥の病態 (原因・予防法)を解明する何らかのヒントが隠れている事に注目しました。

6-3.妊婦水泳から、水中散歩へ 運動方針を変えた理由
臨床像の改善の秘密は、水の特性である「水圧+浮力」にあると考えました。
  水泳から水中散歩に変えた理由は、水面を泳ぐより、水中散歩の方がより多くの、「水圧+浮力」が作用すると考えたからです。
妊婦水泳は運動が激しく、脈拍は安静時の約 50~100% 増え、頻脈(120~150/分)になります。その為、妊娠高血圧・心臓病の妊婦さん、多胎妊娠、子宮筋腫合併妊娠など、早産(子宮収縮) を起こし易い異常妊娠の妊婦さんは、妊婦水泳の参加が認められませんでした。妊婦水泳は、妊娠経過に異常が無く、健康な妊婦さんだけに対象が制限されていた所に問題あったからです。
水中散歩は浮力が働くため体重は約1/10と軽くなり、足/腰、とくに妊娠子宮に負荷(重力)が少なくなり、陸上の散歩に比べはるかに安全に水中を動き回る事が出来ます。
妊婦水泳に比べ、水中散歩は呼吸/脈拍/血圧に変動が少ないために、心臓病・妊娠高血圧(軽症)の妊婦さんにも水中散歩の適応が拡大します。
泳ぎが苦手の妊婦も気兼ねなく参加できます。妊婦水泳から水中散歩へ運動方針を変えた事によって、水中運動の参加者は、20%(妊婦水泳) から 約 80%(水中散歩)に増えたのです(下図)。

7.水中散歩の臨床効果

7-1.末梢血管に及ぼす影響
水中散歩を始めて15~30分経つと、特に冷え性の人は下肢に温もりを感じます。 入水して1時間後(プールから上がる頃)には、全身がポカポカと温かくなっています。この全身の温もりは末梢血管が開き、温かい動脈血が体の隅々まで循環する血流量が増えたことを意味しています。

水中散歩が最も効果を発揮するのが、冷え性(手足)/便秘/頭痛/肩こり/浮腫の改善です。
勤労妊婦の約30~50%は冷え性と便秘です。冷え性・便秘は、痩せた、足の細い、デスクワーク(PC)、過労、運動不足、睡眠不足、喫煙の妊婦に多く見られます。注目すべき点は、早剥と妊娠高血圧症は冷え性と便秘の妊婦さんに多いことです。また下肢静脈瘤の改善 (予防と治療) にも著しい効果を発揮します。水中散歩は下半身の緩やかな運動にもかかわらず、下半身 (腹部臓器 ・下肢) の効果のみならず、上半身 (頭痛/肩こり/手の冷感) にも下半身同様の著しい改善効果が あります。頭痛の改善、つまり、脳血流の改善は脳血管障害の予防、治療、リハビリ に役立つと考えられます。

7-2.消化管に及ぼす影響
初診時の排便状態を、初産婦(100人)・経産婦(100人)について調べた。 (調査:2009年1月)
・初産婦:毎日出る(40人)、2~3日に一回 (49人)、4~7日に一回(6人)、
・経産婦:毎日出る(64人)、2~3日に一回 (28人)、4~7日に一回(8人)、

2週間に一回(薬を飲んで) しか出ない妊婦もいた。
便秘症は冷え性の人に多く、治療に下剤を常用していた。

■水中散歩の効果:
頑固な便秘も水中散歩でほとんど改善された。
小学生の頃から2週間に一回しか出なかった頑固な便秘も、水中散歩を毎日した所、 一週間目から下剤を飲まないで毎日出る様になった。
妊娠7ヶ月に潰瘍性大腸炎(膿と血液の混じった便)と診断された妊婦に水中散歩を毎日する様にすすめた。一ヶ月目に通常の便になった。産後一年経つが、潰瘍性大腸炎の再発は今のころ無い。
以上の便秘解消 などの臨床像の改善 から、水中散歩には消化管血流量の増加も示唆された。

7-3.腎機能に及ぼす影響:利尿作用(腎血流量の増加)に注目
水中散歩を開始して30~40分経った頃から、排尿に行く妊婦さんが目立ちます。入水中に1~2回、プールから上がって一回、平均2~3回排尿されます。この様に、水中散歩には陸上の散歩に見られない利尿作用があります。水中散歩に参加された妊婦さんには下肢の浮腫はまったく見られません。また、妊娠経過中に尿タンパクが出ても、水中散歩を始めると2~3週間後にはタンパク尿は消える事が殆どです。

以上の臨床像の改善から、水中散歩には末梢血管を開き、腎血流量を増加させる何らかの作用がある事に気付きました。水中散歩の利尿作用のメカニズムの中に、妊娠高血圧症・胎盤早期剥離を防ぐ何らかの秘密が隠されている、と直感しました。


8.水中散歩で妊娠高血圧症の予防

妊娠高血圧症(旧:妊娠中毒症)について
妊娠高血圧症とは、妊娠20週以降から血圧が上昇する病気で、未だ確かな原因は分かっていない。血圧が140/90mmhg以上を軽症、160/110mmhg以上になると重症妊娠高血圧症と診断される。日本では妊娠高血圧症の妊婦さんが増えている為か、脳血管障害(高血圧性脳症、脳出血、脳梗塞など)の報告が相次いでいる。
妊娠高血圧症が怖い理由は、胎児の発育が悪くなる事、妊婦が突然に痙攣を起こし意識を無くす事(子癇)・脳出血を起こし、助かっても障害が残り、出血が止まらなければ死亡する事、などの危険性があるからである。

8-1.水中散歩と生活習慣の改善で、 妊娠高血圧症を予防した2症例
症例1:M.O. 身長165cm : 第1子は妊娠高血圧症、胎児ジストレスの診断で緊急帝王切開となった。児の体重は528g、妊娠24週4日で出生。妊婦の仕事は事務職(デスクワーク)であった。仕事は毎晩9~10時頃まで、夕食時間23時、朝食ヌキの妊娠生活であった。睡眠時間は5~6時間。妊婦は妊娠19週に血圧上昇、下肢の浮腫が出現、妊娠23週で体重が急激に増え、タンパク尿、頭痛が出現したため大学病院に緊急母体搬送した。初回検診時より,生活習慣の改善のための生活指導、母親教室、水中散歩への参加を勧めたが、仕事に追われ会社を休む事が出来なかった。妊婦の生活習慣(過労、睡眠不足、ストレス、運動不足など)の間違いが胎児を犠牲にした症例である。

第2子を妊娠8週で確認。第1子が妊娠高血圧症、帝王切開分娩のため大学病院での妊娠分娩管理を勧めたが、当院での出産を強く希望されたため、いくつかの条件(当院の安産7ヶ条)を提示し、その案に協力することを条件に当院で管理させて頂く事とした。


第2子の妊娠経過:妊娠が確認されたと同時に退職され、当院の安産7ヶ条を実践された。水中散歩は計45回、妊娠高血圧症に特徴的な、高血圧、浮腫、タンパク尿は出ず、妊娠中の体重増加は約8kgと理想的体重であった。帝王切開にて出生時体重2784g(G37w4d)の元気な赤ちゃんが誕生した。妊娠高血圧症は繰り返すと報告されているが、生活習慣の改善と水中散歩によって、妊娠高血圧症を予防した症例である。

8-2.症例2: H.S. 身長165cm、
この症例は第1子の胎児発育遅延(IUGR)と産後の重症妊娠高血圧症を水中散歩と生活習慣の改善で再発防止した症例です。
第1子(31才)、妊娠中体重増加+1kg(70kg→71kg)
第2子(34才)、妊娠中体重増加+1kg(75kg→76kg)
出生体重は、第1子2296g(妊娠38週5日)、第2子3716g(妊娠39週6日)であった。
妊娠中の体重増加は第1子・第2子、共に同じ+1kgであったにもかかわらず、出生体重に約1400gの差が生じた。第1子の時はデスクワーク(PC)の仕事をされていたが、第2子の時は仕事を辞められ水中散歩に50回通われた。この体重差は、妊婦の栄養摂取量ではなく、妊婦の生活習慣の改善と水中散歩で静脈還流量を促進し、腎血流量増加と子宮胎盤血流量を増やした結果と考えられる。

日本では、満期産の低出生体重児(IUGR)の増加が報告されているが、その原因は冷え性(末梢血管収縮)の妊婦さんが増加している事に起因していると考えられる。
低出生体重児増加の予防に妊婦の摂取カロリーを増やしても大きな赤ちゃんが増えるだけで、低出生体重児の増加防止になるとは考えられません。症例1~2で示した様に、低出生体重児を予防する為には、子宮胎盤血流を増やす工夫(水中散歩と生活習慣の改善)が必要と思われます。

8-3.子宮胎盤血流障害の改善例




■水中散歩による子宮胎盤血流障害の改善例
・症例1:子宮胎盤血流障害が改善した症例
・症例2:胎盤出血が消失した症例
・症例3:胎盤出血(血腫)が消失した症例
・症例(1~3)の説明:症例1の胎盤(胎児側)の血管拡張(静脈怒張)、症例2の胎盤出血、症例3の胎盤内血腫は通常見られない異常所見です。自宅安静と水中散歩だけで異常所見は全て消失しました。水中散歩に特有の静脈還流量の増加によって、子宮胎盤血流障害が改善したためと考えられます。(尚、水中散歩の回数は2~3回/週です。)


9.水中散歩が、妊娠高血圧症を防ぐメカニズム

妊娠高血圧の原因と予防法
心臓から腎臓に送られた動脈血は静脈血となり心臓に戻る。しかし、腎臓には腎静脈血を心臓に戻すためのポンプ(圧)が無い。腎静脈血が心臓に戻るためのポンプ機能は、下肢から心臓に戻る静脈還流の力(陰圧)に依存している。
例えば冷え性で末梢血管が収縮し静脈還流量が減ると、腎静脈血の心臓へのリターンが少なくなる。その結果、腎臓に入る動脈血、腎臓から出て行く静脈血、つまり、動脈(陽圧)と静脈(陰圧)の圧バランスが崩れ腎血流量は減少する。静脈血の心臓への戻りが悪くなると、静脈は拡張し静脈怒張が生じる。

一方、水中散歩(水圧+浮力+筋肉運動)で静脈還流量が増えると、腎静脈血は増えた静脈還流(陰圧)に引っ張られ心臓に戻り易くなる。その結果、腎動脈(陽圧)と腎静脈(陰圧)の圧バランスが改善され、腎臓を通過する腎血流量が増し、利尿作用が生じる。同時に、血圧上昇因子であるレニン分泌は低下する。
静脈還流量に依存した腎血流 IN (動脈) とOUT (静脈)との関係は、心臓・脳・腸管・肝臓・腎臓・子宮など全ての臓器にも当てはまる。子宮から出た子宮静脈血の心臓への戻りが悪いと、胎盤の胎児面に静脈怒張がしばしば超音波検査で観察される。水中散歩による子宮胎盤血流障害の改善例(7-3:症例1,2,3)がそうである。この様な静脈怒張は子宮胎盤だけに見られるのではなく、全ての臓器に静脈怒張が起こっていると考えられる。頭部に静脈怒張が発生し、次第に大きくなれば頭痛の原因となる。血管が破裂すれば脳出血がおこってもおかしくない。頭痛・肩こりの妊婦さんが水中散歩をすると、その日から頭痛は改善する。

Wikipediaによると、
何らかの理由で腎血流量が減少すれば、腎臓からレニンの分泌が促進され、血圧上昇作用を持つレニン-アンギオテンシン-アルドステロン(RAA)系が活性化され高血圧症となる。
腎血流量が増加すれば、レニン分泌は抑制されRAA系は活性化されない。
RAA系は、全身の血流量ではなく、腎血流量のみで分泌量が決定するため、何らかの障害で腎血流量が減少した時に、腎血管性高血圧症の誘因となる。

水中散歩が、妊娠高血圧症を防ぐメカニズムは、
水中散歩⇒静脈還流量増加⇒腎血流量増加⇒レニン分泌抑制+利尿作用⇒高血圧症の予防である。静脈還流量増加のメカニズムは、温水プールの持つ、水圧・浮力・第2の心臓の機能亢進である。

血管の攣縮によって
・腎血流が低下すれば、①高血圧、②蛋白尿、➂浮腫をおこし、
・子宮胎盤血流が低下すれば、胎児発育遅延(IUGR)や胎児ジストレスを起こす、
・脳血管が攣縮すれば、子癇(ケイレン)をおこし、
・肝血管が攣縮すれば、HELLP症候群を生じる、
(HELLP症候群とは、Hemolytic anemia(溶血性貧血)、Elevated Liver enzymes(肝逸脱酵素上昇)、Low Platelet count(血小板低下)である。

当院で妊娠高血圧症、胎盤早期剥離が極端に少なく、子癇(ケイレン)やHELLP症候群が1例(11,000例中)も発症しない理由は、当院の妊婦さんの約90%が水中散歩に参加され腎血流量、子宮胎盤血流量が正常に循環しているからである。


10.常位胎盤早期剥離を予防

常位胎盤早期剥離(早剥)について
常位胎盤早期剥離とは、
ある日突然に、子宮と胎盤との間に出血が起こり胎盤が子宮から剥がれ、母児にとっても、産科医にとっても、産科疾患の中で最も怖い母児の生命に関わる子宮内出血を特徴とする劇症疾患である。出血が増え剥離面が拡がると胎児に行く酸素量が減り、胎児の心拍数は遅く(胎児ジストレス)なり、低酸素が強くなると胎児は子宮内で死亡する。子宮と胎盤との間の血腫 (血液の塊) が大きくなると血液凝固因子(血小板)が消費され、さらに治療(帝王切開・輸血)が遅れると出血が止まらなくなり妊婦は出血多量で死亡する。妊娠中に胎盤が子宮からどの様なメカニズムで剥離するのか、その原因と予防法は未だ解明されていない。

早剥の発生頻度:
全妊娠の 0,5~1,3%、80~200人に一人の割合で発生すると報告されている。早剥の約50%は妊娠高血圧症を合併していると報告があるが、早剥の原因、早剥と妊娠高血圧症との因果関係は未だ何も分かっていない。故に、早剥の予防法は無く、母児を救うためには早剥の早期診断(超音波診断) ・早期治療 (緊急帝王切開) だけが頼りである。また、麻酔医が確保できるかどうかは、手術の安全性に大きく影響する。

■分娩第3期の胎盤剥離のメカニズム(久保田, 1998年)
胎盤早期剥離のメカニズムを研究する目的で、分娩第3期の児娩出直後から胎盤娩出まで、胎盤剥離と胎盤娩出の経過を超音波断層法で連続的に観察した。超音波で見た実際の胎盤剥離のメカニズムは、成書に記載されている報告と全く異なっている事が分かった。この成績は、平成10年2月8日、第116回 日本産科婦人科学会福岡地方部会で発表した。

10-1:分娩第3期の胎盤剥離のメカニズム(教科書:GREENHILLS Ob.1965)
 成書には、児娩出後、後陣痛によって子宮-胎盤付着面の狭縮と“ズレ”が生じ、主に胎盤中央に後血腫をつくることによって胎盤剥離が起こると記載されている。資料には子宮筋層と胎盤中央部との間に血腫を形成し、順次増大、恰も常位胎盤早期剥離かのごとく胎盤は剥離し娩出している様子が描かれている。USTによる観察では、成書にある後血腫像は認められなかった。この20年間、当院では経膣分娩の全ての症例(約9000例)にUSTを用い胎盤剥離の経過を観察しているが、成書と同様の胎盤剥離様式に遭遇した症例は無い。



10-2:分娩第3期の胎盤剥離のメカニズム(久保田)

(1)分娩第3期の胎盤剥離は、子宮体部の筋層が狭部近傍から底部に向かって順次肥厚することによって促がされた。
(2)胎盤剥離が子宮内で終了するまでに後血腫像は認められなかった。子宮筋層肥厚による生物学的血管結紮が、剥離に先行したためと推察された。
(3)分娩第3期における出血は、主に胎盤由来と推察され、胎盤下縁の剥離面から出血していることがカラードップラー法で確認された。
(4)胎盤剥離が遷延した症例は子宮底部付着例であり、子宮狭部近傍が輪状に肥厚するために胎盤娩出が困難であることがわかった。
(5)胎盤娩出は後陣痛によって、子宮壁からあたかも滑るかの如く下方へ移動していく様子が観察された。

成書と久保田の胎盤剥離メカニズムの相違点:
超音波断層法を用い分娩第3期の胎盤剥離の模様を観察した所、成書に記載されている胎盤剥離のメカニズムと根本的な違いがある事が分かった。

相違点:
① 児娩出の数分後から子宮筋の局所性収縮(肥厚)が始まり、その後、肥厚部位に一致して胎盤が子宮壁から剥離する様子が超音波断層法で確認された。しかし、成書には胎盤剥離部位に一致した子宮筋層の肥厚は描かれていない。
② 胎盤剥離の開始部位は、最初に子宮下部から肥厚(剥離)が始まり、子宮体部から子宮底部へと肥厚を順次移動させ胎盤を剥離させる。成書では、胎盤剥離は胎盤中央部から始まると記載されているが、超音波で実際の胎盤剥離部位を観察すると、中央部から剥離する例は一例(約9000人中)も無い。
③ 超音波検査では胎盤剥離面(肥厚部位)に出血像は確認できないが、成書には恰も胎盤早期剥離と似た出血像が描かれている。

成書(J.P.GREENHILLS Ob. 1965年)の問題点
成書は超音波断層法が開発される前の1965年以前に作成された資料である事から考えると、成書の胎盤剥離メカニズムは胎盤の娩出様式を参考にした予想図と考えられる。胎盤は母体面からではなく胎児面から先に出る例が多い事を根拠に、成書の胎盤剥離メカニズムが考案されたと思われる。

10-3:胎盤早期剥離のメカニズムと予防法

妊娠中の常位胎盤早期剥離、分娩第3期の胎盤剥離、両者は何れも同じメカニズム(子宮筋の肥厚)で胎盤の剥離が始まることが超音波断層法で確認された。分娩第3期の胎盤剥離の観察では、筋層の肥厚(局所性子宮収縮)なしで胎盤が子宮から剥離する症例は皆無であった。即ち、妊娠中の局所性子宮収縮(筋層の肥厚)は、胎盤早期剥離の前兆(危険因子)と考えられた。胎盤剥離を促す局所性子宮収縮(筋層の肥厚)の原因は、子宮胎盤血流量の減少に因ると考えられた。その理由は、水中散歩(静脈還流量増加⇒子宮胎盤血流増加)によって子宮収縮(肥厚)が改善するからである。また、便秘や妊娠高血圧症の妊婦に胎盤早期剥離が多く発症する理由は、それらの病因が同じ生活習慣病(末梢血管収縮⇒静脈還流量減少)によって引き起こされているからである。胎盤早期剥離を防ぐためには、冷え性(末梢血管収縮)の原因である過労、睡眠不足、タバコ、デスクワーク、運動不足、などの間違った生活習慣を改善すべきである。また、産科医はUSTによる子宮筋層の肥厚、子宮胎盤間の初期出血像の有無にも注意深い観察が必要である。


11.妊婦を生活習慣病(冷え性)から守るために

症例11-1:

生活習慣の改善が、肥満妊婦の体重、胎児発育に及ぼす影響
N.K. 34才、初産婦、172cm、体重83kg、妊娠前の食生活習慣 朝食ナシ、夕食11時以降など、生活習慣に問題点の多い妊婦さんであった。当院の安産7ヶ条を条件に模範的な妊娠生活が始まった。赤ちゃんは妊娠38週4日、3504gで出生した。妊娠中の体重増加は-11kg(83kg→72kg)、産後1ヶ月検診時の体重は65kgであった。妊娠前の冷え性、便秘、腰痛、肩こり、腰痛などの不快な症状は全て改善されていた。妊婦の生活習慣(食事・行動)に改善が無ければ、体重は100kgまで増加し、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症、難産になっていた可能性が高い症例であった。当院の肥満妊婦に対する栄養指導のポイントは、朝食を必ずとる事、夕食は7時までに終る事、夕食後のデザート(果物・アイス・ケーキ)・間食を取らないこと、冷え性・便秘・頭痛・肩こり・運動不足の妊婦さんは、週1~2回の水中散歩を積極的に勧めています


11-2:妊婦の正しい生活習慣とは
①朝食は必ずとる(和食が理想)、
②妊婦は17時以降の仕事は出来るだけ控える。
子宮収縮は昼間に弱く、早朝・夕方に強く起こり易いから。
③夕食は19時、遅くとも20時までに終る。夕食時間が遅くなるほど体重は増え、朝食ヌキになるからです。肥満妊婦の共通項は夕食時間が遅く、朝食ヌキの人です。
④夕食後のデザート(果物・ケーキ)の摂りすぎに注意、胎児を太らせるだけでなく、高インシュリン血症児(糖尿病児)にする危険性があるからです。高インシュリン血症児は出生直後に低血糖になり、ケイレン・呼吸停止の危険性があります。
⑤お風呂は寝る前にゆっくり入る。冷え性の妊婦さんは体を温め、収縮した下肢の血管を開く必要があります(シャワーに保温効果はナシ)。
⑥23時までに寝るのが理想(睡眠は最低7~8時間とる)。睡眠には末梢血管拡張作用があるため、下肢から心臓への静脈還流量が増え、腸・腎臓・子宮など、すべての臓器の血流を改善します。特に、冷え性の妊婦さんは睡眠を十分にとることが大事です。
⑦週1~3回、水中散歩に参加すると、
冷え性は改善され、生活習慣病(便秘、頭痛、肩こり)の改善、妊娠高血圧症、早産、常胎盤早期剥離、 胎児発育遅延を防ぎ、低出生体重児の予防に著しい効果を発揮します。


12.低出生体重児の防止策は、冷え性の改善から

少子化が叫ばれながら、日本人の約10~20%の妊婦さんは夜遅くまで会社で働いておられます。夕食は9~11時頃になり、睡眠不足・朝食ヌキ・太りすぎ・冷え性・便秘・頭痛・肩こり、などの原因をつくる要因の一つになっています。これらの生活習慣病から妊婦さんを守るためには、国は妊婦さんを午後5時、遅くとも6時迄に退社させ、夕食を早く済ませ、お風呂にゆっくり入り、早寝早起きが出来る生活環境を準備してあげる事が大事です。日本の少子化対策に欠けている点は、妊婦を生活習慣病(特に、冷え性)から守るために「妊婦に正しい生活習慣」を準備してあげる事です。

それには母親教室を充実させ、全ての妊婦さんが妊娠初期に参加できる環境(時間的余裕)を作る事が重要です。産休(妊娠8ヶ月)に入ってからの受講では遅すぎるからです。妊婦の生活習慣病を防ぐためには、母子手帳を発行する妊娠4ヶ月までに受講すべきです。産休の他に、週半ばで半日~1日のお休みを設け、母親教室、運動(水中散歩)、料理/音楽/読書などの趣味の教室に参加する時間的余裕のある妊娠生活を準備して上げる工夫が必要です。少子化対策の基本は、妊婦さんを仕事(ストレス)から開放し、楽しい趣味の時間を作って上げる事がポイントです。仕事中心の現代の妊婦さんに心配な点は、趣味を持つ、趣味を楽しむ時間的余裕が無い事です。妊婦さんの趣味/特技は、子供の長所となり、その後の子供の発達に大きな影響を与えるからです。
ストレスの多い日本の現代社会において、妊婦さんは生活習慣病を予防し、水中散歩で仲間との情報交換/ストレス発散/妊娠生活を楽しむ機会/時間的に余裕のある妊娠生活を望んでおられます。水中散歩に参加された妊婦さんに産後の育児ノイローゼになる人は殆どいません。
少子化対策は、経済的支援の他に、精神的支援(妊娠生活を楽しくして上げる事)にも力を入れると効果的と思います。

たらい回しや産科合併症を防止する政策こそが、ここで述べた周産期医療に予防医学を導入する事です。少子化対策の成功の鍵は、国がお産に予防医学を導入し、本気でお産改革をする事が重要です。
Kubota Maternity Clinic Shirou Kubota M.D. 10/26/2009