陰部神経ブロックの特徴
方法:
 分娩第2期の産道の痛みは、陰部神経を介して脊髄に伝達されます。この陰部神経を坐骨棘のそばの幹部で経腟的に局麻剤でブロックすることによって、産道と会陰部領域の痛みの緩和と筋弛緩を同時に得ることができます。麻酔開始時期は、児頭下降による産道への圧迫痛が感じられる子宮口全開大前後、麻酔効果時間が約90120分と短いのが短所ですが、麻酔効果が切れた場合は再ブロックを行うことが可能です。
陰部神経ブロックの麻酔作用
鎮痛作用:
(1) 分娩第2期の最も痛いと言われる産道・会陰部の痛みをほぼ100%とる事ができる。
(2) 鎮痛効果:、初産婦では産痛の約6070%、経産婦では約7080%のお産の痛みを軽減できる。
(3) 陣痛が無い時(陣痛間欠期)では、腰痛や産道の痛みはほとんど無く休息が可能。
筋弛緩作用
 本法の筋弛緩作用は、産道と会陰部の筋肉をやわらげ、よりスムーズな児の娩出を可能にします。その結果、分娩第U期時間は短縮し、会陰切開・会陰裂傷も少なくなり、吸引分娩も明らかに減少しました。