胎便排泄におよぼす影響
 胎便について:赤ちゃんが生後ではじめて排泄する暗黒色の便を”胎便”と呼びます。赤ちゃんの便は、教科書などでは通常生後2〜3日以内に胎便が排泄された後に緑褐色の”移行便”となり、5日目頃に黄色の(乳便)になるとされています。成熟児の胎便量は100g〜200gと言われており、胎便の中には黄疸の基になるビリルビンが多く含まれています。胎便の排泄が遅れると、腸管から血中へ胎便中のビリルビンが再吸収(腸肝循環)され、その結果、血中ビリルビン濃度が高くなり高ビリルビン血症(重症黄疸)の原因と考えらています。3kgの新生児が一日に産生するビリルビン量は20mg前後であるのに対し、胎便中のビリルビン量はその5〜10倍の量に相当します。胎便排泄遅延が高ビリルビン血症の危険因子とされるのは、腸肝循環によってビリルビンの再吸収が行われるからなのです。