※ 人間(恒温動物)の自律神経機能の特性:
呼吸・循環・消化管など全ての臓器の安全を司る自律神経は、快適な環境温度、しかも人間が恒温状態の時にしか本来の機能を発揮する事が出来ない。例えば、温かい子宮(38℃)の中から寒い分娩室(25℃)に生れて来たばかりの赤ちゃんは、呼吸循環の安全性よりも出生直後の低体温症を防ぐための体温調節機構(放熱抑制+産熱亢進)を優先させる。放熱抑制と産熱亢進が遷延すると、児に非生理的な現象(初期嘔吐・低血糖症・肺高血圧症など)が発生する(下記参照)。さらに、児が何らかの理由で重度の低血糖症に陥ると自律神経は機能不全に陥り、体温調節・呼吸循環の調節も出来なくなり、やがて児は心肺停止となる。赤ちゃんの自律神経機能を正常に作動させるためには、出生直後の低体温症を防ぐために児を出来るだけ早く快適な環境温度(中性環境温度)に収容し、低体温症から恒温状態への移行を促すべきである。寒い分娩室における生後30分以内のカンガルーケア(KC)は、低体温症から恒温状態への移行を遅らせる。厚労省は出生直後のKCの中止を全国の医療機関に通達すべきである。
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