カンガルーケア中の医療事故はなぜ繰り返されるのか!
1. カンガルーケア中の医療事故が多発しているにもかかわらず、厚労省はWHO/ユニセフの「母乳育児を成功させるための10カ条」を検証せず、カンガルーケア・完全母乳をさらに推奨している。
2. 母乳育児推進者は出生直後からの母児同室を推進しているが、自律神経機能が不安定な最も危険な時期に、素人の母親に赤ちゃんの全身管理を任せている。事故は起こって当たり前である。
3. 正常成熟児の低血糖の管理(検査・予防)が全く行われていない。低血糖が見逃されている。
4. 母乳育児を勧める医師・助産師は、「赤ちゃんは3日分の弁当と水筒を持って生れてくる」、科学的根拠の無い間違った説を看護師・助産師・国民に刷り込んだ。間違いを直ちに訂正すべき。
5. 新生児の発育の指標となる体重発育曲線が、1948年に作成された60年以上も前の米国(Dancis )の資料が、現在も日本の臨床現場で使用されている。この曲線は児の発育に不利益である。
6. 低体温症、初期嘔吐は非生理的現象であるにもかかわらず生理的と安易に考え予防を怠っている。
7. 黄疸は出て当たり前と考え、重症黄疸を防ごうとしない。重症黄疸は栄養不足が原因である。
8. 厚労省は、乳幼児突然死(SIDS)は原因不明の病気と発表したが、真実は病気ではい。
9. 医師はカンガルーケア中の医療事故(呼吸停止)を原因不明の病気(ALTE・SIDS) と偽って家族に説明している。厚労省はKC中の事故再発を防ごうとしない。 
10. 日本母乳の会は、ユニセフ・厚労省の後援を得て、「母乳育児成功のための10カ条」を さらに推進しようとしている。厚労省は赤ちゃんに優しい病院の認定式に毎年出席し、メッセージを贈っている。記者会見も行われている。次回は、2010年7月31日(仙台市)

※早期新生児のケイレン・無呼吸発作は、脳神経発達に永久的な障害を与える危険性がある。それらの原因の多くは低酸素血症・低血糖症であるが、低体温症はそれらの引き金となり、さらに重症化させる。新生児管理の基本は、自律神経機能を正常に作動させるための児に快適な環境温度を準備し、出生直後の低体温症、低血糖症、低酸素血症を防ぐ事である。母児同室は自律神経機能が正常に働く恒温状態に安定してから行うべきである。母乳育児を勧める医師・助産師は、低体温症、低血糖症の怖さを教科書だけではなく、正常新生児からも学ぶべきである。

※厚労省は乳幼児突然死症候群(SIDS)は原因不明の病気と発表した。真実は着せ過ぎ・温め過ぎによるうつ熱(産熱抑制⇒筋弛緩、放熱促進⇒交感神経抑制)による事故である。カンガルーケア中の心肺停止も原因不明の病気とし、真相を隠そうとしている。厚労省は事故に遭われたご家族は泣き寝入りされている事を忘れてはいけない。真実を公表すべきである。

 


産科開業医は常に助産師不足である。厚労省が後援する「母乳育児を成功するための10カ条」(カンガルーケア+完全母乳)を行わない産科診療所に新卒助産師は就職しない。助産師以外の看護師に内診させると保健所の強制立ち入り検査がある。産科開業医は新卒助産師の確保にカンガルーケア・完全母乳は必須条件である。赤ちゃんに優しい病院(BFH)に助産師が集中するのは10カ条に積極的だからである。BFHは日本母乳の会が認定し、厚労省や助産師会などがBHFを後援する。BFHにおける新生児管理はカンガルーケア・完全母乳の長所だけを教育された助産師である。助産師が事故を恐れない理由は、国がカンガルーケアを後援し、事故が起こっても原因不明(ALTE/SIDS)と診断され、裁判になっても助産師・新生児科医ではなく、産科開業医が訴えられるからである。カンガルーケア中の事故責任の所在を明らかにしなければ事故は繰り返され産科医不足はますます加速する。 日本産婦人科医会は医療事故再発を防ぐためにも厚労省にカンガルーケア・完全母乳の中止を訴えるべきである。 S-kubota 6/5/2010