出生直後のカンガルーケアの危険性 | ||||||||||||
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発達障害(自閉症スペクトラム)が増える理由 出生直後の低体温症と生後数日間の飢餓(低栄養+脱水)を防ぐと発達障害は激減する! |
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福岡市の発達障害は母乳推進運動がスタートした1993年後から徐々に増え始め、 2007年のカンガルーケア(早期母子接触)導入を契機に驚異的に増加した。世界に発達障害の原因究明に関する研究は数多くあるが、予防法に関する研究は無い。新生児の体温調節と体重発育(栄養)に関する長年の研究から、出生直後の低体温症と生後数日間の飢餓(低栄養+脱水)が発達障害のリスク因子(低血糖症、重症黄疸、高Na血症性脱水)を増やしていることが分かった。当院では1983年の開業以来、約14.000人以上の新生児に対して低体温症を防ぐための生後2時間の「温めるケア」と母乳分泌不足による生後数日間の飢餓(基礎代謝量以下)を人工ミルクで補足してきたが、この二つの先制医療で発達障害のリスク因子をほぼ完全に防止することが出来た。この事を平成27年3月12日、自由民主党本部の障害児者問題調査会(会長
衛藤晟一参議院議員)においてて講演した。 日本の分娩室(24℃~26℃)は大人には快適である。しかし、温かい子宮内(38℃)から生まれたばかりの 裸同然の新生児には寒冷刺激(胎内と胎外の環境温度差)が強すぎるために、児は急激な体温下降( 2℃~3℃)を余儀なくされる。現代産科学はそれを生理的体温下降と定義しているが、実際は体温管理(保温)が必要な病的な「低体温症」である。出生直後に体温管理(保温)を怠りカンガルーケアを長時間すると、新生児は生命維持に最も危険な肺高血圧症(チアノーゼ⇒心肺停止)と低血糖症(発達障害の危険因子)に陥らせる。またWHO/ユニセフの「母乳育児を成功させるための10か条」の第6条(医学的根拠なく、水・糖水・人工ミルクを飲ませるべきではない)は、新生児を低血糖症・重症黄疸・飢餓(低栄養+脱水)に陥れ、発達障害のリスク因子を増やす。学会と厚労省は出生直後のカンガルーケアと完全母乳を推進しているが、カンガルーケアと母乳が十分にでない時期における完全母乳が児を低血糖症・飢餓状態(低栄養+脱水)に陥らせていることが分かった。学会と厚労省は医療従事者(産科医・新生児科医・助産師・学生)・関連の学会・保険所・報道などに対して、カンガルーケアと完全母乳の危険性を通達し、現代の行き過ぎた母乳推進運動に警鐘を鳴らすべきである。改善がなされなければ、発達障害(自閉症)はさらに増え続け少子化はさらに加速すると予測する。上記資料は、厚労省、日本医師会、日本産婦人科医会にも報告した。 |
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★自由民主党本部 障害児者問題調査会での講演(平成27年3月12日) 議事次第はこちら 講演内容(下図) |
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発達障害児防止策に先制医療(温めるケア)を! | ||||||||||||
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カンガルーケア中の心肺停止事故を検証(最終版) | ||||||||||||
久保田史郎 2014年3月19日 | ||||||||||||
結論 日本の分娩室、赤ちゃんには寒すぎる ―新生児の冷え症に注意― 1.子宮内の胎児循環 胎児はへその緒を通じて母親の血液から酸素と栄養をもらい発育しています。その為に、子宮内では肺呼吸の必要性がなく、ガス交換のための肺胞は閉じています。また心臓から肺に行く血管(肺動脈)も約80%は閉じた状態です。子宮内では、心臓(右心室)から出た血液は、肺に行く肺動脈の血管抵抗が強いため、胎児期の動脈管と卵円孔(右心房⇒左心房)を通り大動脈にダイレクトに流れ込み、全身に酸素と栄養を運搬します。これが「胎児循環」です。ところが、へその緒は赤ちゃんが生まれて一分以内に切断されますので、肺動脈血管が瞬時に開いて、心臓(右心室)から出た血液が胎児期の動脈管ではなく、肺動脈に流入しなければなりません。胎児期の動脈管から肺動脈への血流の切換えが円滑に進まなければ、赤ちゃんはチアノーゼ(低酸素血症)に陥ります。その血流の切換えが円滑に進むかどうかは、なんと出生直後の分娩室・母子同室中の部屋の温度に左右されるのです。 2.環境温度(低温・高温)が新生児の自律神経系に及ぼす影響 3.「寒冷刺激」のメリット・デメリット 4.安心できない産声 5.アドレナリンが血圧を下げるメカニズム 6.チアノーゼ・初期嘔吐は、冷え性(末梢血管収縮)が原因 7.人間が安全に生きるための条件 8.赤ちゃんは「温めるケア」を望んでいます 9.結論 |
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日本の分娩室は安全か “検証” | ||||||||||||
低出生体重児ではない健康な赤ちゃんも保育器に入れるのは、 「過剰なケア」という助産師の批判(共同新聞)に、反論する |
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① 新生児の低体温症は、医原性疾患(アイスノン事件) 低出生体重児であろうと、正常成熟児であろうと、生まれた直後は温かい母親の胎内(約38℃)から突然に13℃も低い外気(約25℃)に触れ、赤ちゃんは低体温症のリスクにさらされている。そもそも、「健康な赤ちゃんは冷たい外気に触れても何のリスクもない」と考えるのが大間違い。平均38、2℃で生まれてきた赤ちゃんを出生直後から「保育器」に入れ、最初の1時間は34℃、次の1時間は30 ℃と、徐々に外気温に慣らしていくのは、胎内から胎外生活への赤ちゃんの適応をサポートするためには当然のケアであり、それを「過剰なケア」と言う方がおかしい。 突然の急激な環境温度の低下は大人でも危険、真夏(平成25年7月)の野外コンサート(東京)で突然の雨・風に打たれ、身体が冷えたことから若い女性7人が低体温症になって過呼吸などの症状で救急病院に搬送された。人間は緩やかな環境温度の変化には対応できるが、大人でも突然の環境温度の変化に脆いのである。突然の悪天候による低体温症は想定外で責任逃れが出来るが、分娩時の突然の寒冷刺激による低体温症は想定外では済まされない。分娩室そして母子同室中の新生児の低体温症は医療従事者の責任であり、母親に何の管理責任もない。カンガルーケア中の心肺停止事故、その原因がうつ伏せ寝による窒息であれ、何であれ、事故そのものが医原性疾患なのである。その代表的な事例が名古屋・福岡での「アイスノン事件」である。産後の子宮収縮を促す目的で、母親のお腹の上に「アイスノン」をのせた状態でカンガルーケアを行い、心肺停止に至らしめた事例がある。新生児の体温管理は医療側にあり、カンガルーケア中のアイスノン事件こそが医原性疾患である。学会は産後の子宮収縮目的のアイスノンにも警鐘をならすべきである。アイスノンはカンガルーケア中の新生児のみならず、母親をも低体温ショックに陥らせる危険性が潜んでいるからである。高体温治療が目的ではなく、産直後の子宮収縮目的のアイスノンは熱産生に母親を震えさせ、高血圧症・心臓病などのリスクの高い母親、出血の多い母親には極めて危険な医療行為であるからである。 ② 人間の赤ちゃんの管理は、パンダ以下 出生時に寒冷刺激を受け、低体温症に陥った赤ちゃんの体温管理(保温)もしないでカンガルーケアをする事は、児に不利益な医療行為である。寒い分娩室に突然に生まれてきた赤ちゃんには温かい「おもてなし」が必要である。恒温動物が安全に生きる為に必要な一番のおもてなしは、安全で快適な環境温度(中性環境温度)と生きる為に必要な最低限のカロリー(基礎代謝量)と水を与える事である。日本の周産期医療には、人間の赤ちゃんに対する「おもてなし」の配慮が無い。上野動物園のパンダは出生直後に保育器に入れ、人工ミルクが与えられた。人間の赤ちゃんにもパンダと同様の温かいおもてなしが必要と考えるのは間違っているのであろうか! ③ 昔の産婆は、「産湯」を沸かしていた 昔から出産時には、「湯を沸かせ」とお湯を沸かし、「産湯」に入れていた。湯を沸かすのは、「産室」の温度を上げるためであり、「産湯」はまさに「保育器」の役割だった。昔から健康な赤ちゃんも「産湯」という「保育器」に入れることで低体温のリスクを減らしてきた。日本の伝統的な「産湯」を止め、寒い分娩室でカンガルーケアを取り入れた厚労省の判断は間違っていた。厚労省は出生直後のカンガルーケアと完全母乳の推進運動を直ちに中止し、昔の産湯(温めるケア)を復活させるべきである。当院が健康な赤ちゃんを中性環境温度の保育器(34℃⇒30℃)に入れるのは、分娩時の寒冷刺激を少なくし、発達障害の危険因子である低血糖症・脱水・重症黄疸などの適応障害から赤ちゃんを守る為である。カンガルーケア中の心肺停止、発達障害のリスクは久保田式の温めるケアと超早期混合栄養法で予防できる。福岡市の発達障害児の実態調査(2008年)がそれを物語っている。当院の「温めるケア」と超早期混合栄養法が世界で当たり前になった時に発達障害は減り始める。発達障害は遺伝やワクチンが原因ではなく、出生直後の体温管理(低体温の予防)と母乳が出始めるまでの生後3日間の栄養管理(低血糖・重症黄疸・脱水の予防)を怠っているからである。厚労省の「授乳と離乳の支援ガイド」および助産師教育の見直しが急務である。新生児の体温管理・栄養管理は、赤ちゃんは「3日分の水筒と弁当」を持って生まれて来る、という科学的根拠のない俗説を刷り込まれた助産師が担当するからである。日本で生まれる殆どの赤ちゃんは、冷え(末梢血管収縮)と飢餓(脱水+低栄養)に苦しんでいることを学習して頂ければ幸いである。 |
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以上 久保田産婦人科麻酔科医院 久保田史郎 2014年3月3日 |
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