女医からの出産レポート

1.陰部神経ブロックの体験
これまでに経験したことのない想像を絶する痛みが襲ってきた。痛みの間隔が短くなってくるにつれ、頭が真っ白になり何も考えられなくなった。これまで出産に備えて練習していた呼吸法も、助産師の方々の声かけがなければ自分では全くできなかった。(もうすぐ久保田先生が麻酔をしてくださる)ということが心の支えだった。「おめでとうございます。」という声とともに先生が来てくださった時の嬉しさと安堵感は今も忘れられない。ブロックを施行後、先生のうながしに従い頭の中で10数える。気も狂わんばかりの痛みは9割減り、その効果の高さに驚いた。「見てごらん、赤ちゃんが出てくるよ。」和やかな雰囲気の中、長女がまさに生まれてくるところを自分の目で確認した。

2.陰部神経ブロックを経験して〜初産婦、歯科麻酔医の立場から
痛みの緩和がどれほど患者を楽にするものか、身をもって経験した。お産は痛くて当たり前、という固定観念があったが、出産が終わった今、ブロックを行わない出産は考えられない。それはブロックを経験した妊婦のほとんどが同じ思いでいることだろう。「麻酔を使わないで歯を抜くことはしないでしょう?お産だって同じだよ。」とおっしゃる久保田先生は全症例に陰部神経ブロックを施行される。過度の痛みによる危険から胎児と妊婦を守り、正常な分娩をより正常にしたい、という先生の信念に基づいている。痛みを望む患者はいない。陰部神経ブロックが分娩における基本手技の1つとして広く普及することを願っている。

3.最後に
多忙な臨床の中から生まれた豊富なデータをもとに、産科領域に予防医学の概念を導入し、使命感をもって診療・啓蒙活動をされている先生を患者は皆とても信頼し尊敬しています(妊婦水泳後に入るプールのお風呂では、ママ同士での会話で、なぜ久保田産婦人科を選んだか、陰部神経ブロックがいかに効くか、などが話題になります)。私自身も一歯科麻酔医として、大変勉強になりました。これからもどうぞご活躍ください。本当にありがとうございました。
法師山 絢