産痛に影響をおよぼす要因について
  
 お産の痛みは、陣痛(子宮収縮)の強弱に左右され、さらに陣痛は次の要因によって影響を受けます。
1)  児の体重
2)  産道の広さ
3)  子宮口の硬さ(分娩第1期)
4)  軟産道・会陰部の硬さ(分娩第2期)
 経産婦は初産婦に比べ、分娩所要時間は分娩第1期・2期ともに約半分の時間で経過し、“痛み”も軽くてすみます。 この理由は、経産婦では子宮頚部が短く、柔らかいために容易に子宮口が開大するからです。分娩第2期においても軟産道・会陰部が柔らかく、しかも伸展しているため出口部の抵抗が少なく、初産婦に比べ少ない子宮収縮と腹圧で児はよりスムーズに娩出します。その結果、経産婦は初産婦に比べ、分娩時間が短く、産痛も軽度ですみ安産となるのです。
 無痛分娩は、最も痛い時期とされる分娩第2期の産道と会陰部の痛みを優先的に取る事が可能で、更に、同部の筋肉の緊張を柔らげよりスムーズに児を娩出させ得る事ができる産科麻酔法こそが、お産に適した無痛分娩法と言えます。
 赤ちゃんが大き過ぎたり、産道が狭かったり、産道の筋緊張が強すぎたりして難産が予測された場合にこそ、無痛分娩が安産のために威力を発揮するのです。