リビング福岡 1月号掲載記事

質問
 「ベビーシートに寝かせた赤ちゃんの呼吸が止まった」と聞いたのですが、実際にそのようなことが起きるのですか?

解答
 赤ちゃんもベビーシートの着用が義務づけられています。ベビーシートは交通事故から赤ちゃんを守るためのものですが、暖房が効いた車内で帽子や靴下などを着せると、赤ちゃんは暖められやすくなります。特にシートの内側が断熱性や防水性の高い布の場合には、赤ちゃんの周囲の温度と湿度が上がり危険です。「ベビーシートの赤ちゃんはよく眠る/汗をかく」などといわれるのはそのためです。
 寒い冬の外出の際、帽子/手袋/靴下/オーバーなどを着せられたままでベビーシートに固定されると、そのうち暖房が効いてきて赤ちゃんは暖められよく眠ります。温かくなって眠った直後の赤ちゃんの眠りはノンレム睡眠とよばれる深い眠りで、心臓や呼吸の働きが低下するため、血液中の酸素濃度が低下しやすくなります。暖房が効いた車中のベビーシートで寝ている赤ちゃんは、帽子/手袋/靴下などを脱がせ、頭や手足を直接空気に触れさせることが大事です。ベビーシートで赤ちゃんが眠っている時には汗をかいていないかを調べてください。
 ドライブインなどで「気持ちよく寝ているから起こすのはかわいそう」と、赤ちゃんをベビーシートやチャイルドシートに固定したまま車を離れることは絶対にしてはいけません。暖房の効いた車中は炎天下の車中と同じく危険です。ドライブの時にはベビーシートの装着状態とともに赤ちゃんの環境が安全かどうかも点検しましょう。