リビング福岡 2月号掲載記事

質問
 「はじめての妊娠です。安産で元気な赤ちゃんを産むためにはどのような点に注意が必要でしょうか?」

解答
 よく安産と難産と言いますが、全ての妊婦さんが安産で元気な赤ちゃんの誕生を望んでいます。しかし自然まかせでは6人に1人が難産になると言われています。難産にならないためには妊娠初期から安産のための設計図を作って日常生活を過ごすことが重要です。
 1)妊娠中は夜ふかしをせず食生活を正しくすること。食生活の乱れは過食や間食から過度の体重増加や便秘を起こします。過度の体重増加は難産の代表である巨大児や微弱陣痛の原因に、便秘は局所的な子宮収縮から切迫流産や早産(未熟児)の原因となります。
 2)妊娠中の無理な就労も早産の原因です。妊娠中はお腹が張る(強い子宮収縮)ことがありますが、その時は就労などを一時中断し安静が必要です。
 3)膣の中の感染症も流早産の大きな原因のひとつです。おりものは全て病的とは限りませんが早めに診察を受け、感染症であれば治療が必要です。
 4)分娩中の強い痛みは産婦さんの過呼吸を招き赤ちゃんに低酸素血症(酸素不足)を起こします。ラマーズ法やソフロロジー法は過呼吸の予防法。陰部神経ブロックは害がなく優れた和痛法です。
 5)出産後は赤ちゃんの栄養不足を防ぐことが重要です。出産直後の赤ちゃんの栄養不足は低血糖症、重症黄疸や新生児出血症の原因に、産後数カ月間の赤ちゃんの栄養不足は身体や脳の発育遅延などの原因となるからです。
次回は安産のための食事について。