妊娠がわかったとたん、「これは食べても大丈夫?」「あれはやめたほうがいい?」と、食事のたびに気になってしまいますよね。ただ、妊娠中の食べ物は「絶対に食べてはいけないもの」はごく一部で、多くは量や加熱に気をつければ大丈夫です。この記事では、妊娠中に避けたい食べ物・量に注意したい食べ物・むしろ積極的に摂りたい栄養を、OK/NGの早見表つきで整理します。神経質になりすぎず、避けるものだけ避ける、で十分です。妊娠の経過や持病によって気をつける点は人それぞれなので、迷ったときは医師や助産師に確認すると安心です。
なぜ妊娠中は食べ物に気をつけるの?
妊娠中に食べ物へ配慮したい理由は、大きく3つです。1つ目は、妊娠中は食中毒菌に感染しやすく、赤ちゃんに影響が出る可能性があること。2つ目は、一部の成分(アルコールやビタミンAの摂りすぎなど)が胎盤を通じて赤ちゃんに届くこと。3つ目は、栄養バランスをととのえたい時期であることです。理由がわかると、やみくもに怖がらず、必要なところだけ気をつけられます。
妊娠中に避けたい食べ物【NGリスト】
アルコール
お酒は、妊娠中にもっとも避けたい飲み物です。アルコールは胎盤を通って赤ちゃんに届き、飲む量が少なくても発育へ影響する可能性が指摘されています。妊娠がわかったら飲むのをやめ、ノンアルコール飲料や炭酸水などに切り替えましょう。
加熱が不十分な肉・生ハム
ユッケ・レアステーキ・ローストビーフ・生ハムなど、しっかり火が通っていない肉類は、トキソプラズマやリステリアなどの感染リスクがあります。肉は中心部までよく加熱すると安心です。
生卵・生の魚介・スモークサーモン
生卵や生牡蠣、スモークサーモンなどは、食中毒のリスクがあるため控えめにしたい食品です。生卵はサルモネラ、スモークサーモンなどはリステリアが心配されます。卵はしっかり加熱したものを選びましょう。
海外産の無殺菌ナチュラルチーズ
輸入品のナチュラルチーズには、殺菌していない乳を使ったものがあり、リステリアの感染リスクが指摘されています。加熱すれば食べられますが、そのまま食べるのは避けたほうが安心です(日本産のものについては後述します)。
量・頻度に気をつけたい食べ物
次は「食べてはいけない」わけではなく、量や回数に気をつければ大丈夫なものです。避けすぎると栄養が偏るので、上手に付き合いましょう。
水銀が多めの一部の魚
魚は良質なたんぱく質やDHAの源ですが、一部の大型魚は水銀が多めなため、種類と頻度に気をつけたい食品です。さけ・あじ・いわし・さば・ツナ缶などは特に心配なく食べられます。目安は次のとおりです(厚生労働省の注意事項をもとにした一例)。
| 魚の種類 | 量の目安 |
|---|---|
| クロマグロ(本マグロ)・メカジキ・キンメダイ など | 1回約80gを週1回まで |
| ミナミマグロ・メバチマグロ など | 1回約80gを週2回まで |
| さけ・あじ・いわし・さば・ツナ缶 など | 特に気にせず食べてOK |
レバー・うなぎ(ビタミンAの摂りすぎ)
レバーやうなぎには、動物性のビタミンA(レチノール)が豊富です。この成分は妊娠初期に大量にとり続けると赤ちゃんの形態に影響することがあるとされ、頻度に気をつけたい食品にあたります。ただし、月に数回ふつうに食べるくらいなら心配いりません。気をつけたいのはむしろサプリで、ビタミンAを高用量で追加しないようにしましょう。
カフェイン
カフェインは、コーヒーなら1日1〜2杯程度を目安にすると安心です。紅茶・緑茶・エナジードリンクにも含まれるので、合計で摂りすぎないように。カフェインレスコーヒーや麦茶に置き換えるのもよい方法です。
ヨウ素の多い食品(昆布・ひじき)
昆布などに多いヨウ素は、摂りすぎると赤ちゃんの甲状腺に影響することがあるため、毎日大量にとるのは避けたい成分です。だしとして使う程度なら問題ありません。ひじきも、毎日たくさん食べるのは控えめにしましょう。
ハーブティー・香辛料・塩分
一部のハーブティーは妊娠中は控えたほうがよいとされるものもあるため、原材料を確認すると安心です。香辛料や塩分の強い食品も、とりすぎない程度に。味つけは薄めを心がけると、むくみ対策にもつながります。
実は食べても大丈夫なもの(よくある誤解)
「これもダメだと思っていた」というものが、実は問題ないケースもあります。過剰に我慢しなくてよいものを知っておくと、気持ちがラクになります。
- はちみつ:乳児ボツリヌス症は1歳未満の赤ちゃんの話で、妊婦さんが食べても問題ないとされています。
- 新鮮なお刺身・お寿司:信頼できるお店で、新鮮なものを適量なら食べられます。大型魚だけ頻度に気をつければ大丈夫です。
- 日本産のナチュラルチーズ:日本で売られているものは殺菌乳が使われており、基本的に食べられます。心配なら加熱して。
- アボカド:栄養が豊富で、妊娠中にもうれしい食材です。
妊娠中に積極的に摂りたい栄養
避けるものを気にするだけでなく、赤ちゃんの体づくりに欠かせない栄養を意識することも大切です。特に不足しやすいものを知っておきましょう。
葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管がつくられる時期に大切な栄養素です。不足すると神経管閉鎖障害のリスクが高まると考えられており、厚生労働省は妊娠を計画している人や妊娠初期の人に、通常の食事に加えて1日400μg(モノグルタミン酸型)を目安として示しています。葉酸は、小松菜やブロッコリーなどの緑黄色野菜、いちごなどの果物、納豆に多く含まれます。ただし加熱や水にさらす調理で失われやすく、毎日の食事だけで目安量をとり続けるのは意外と大変です。多く含む食品は葉酸が多い食品まとめ、食事で足りない分をサプリで補う場合の選び方は葉酸サプリの選び方・比較を参考にしてください。
そのほか、貧血を防ぐ鉄分(赤身の肉・魚、大豆製品)、骨や歯をつくるカルシウム(乳製品・小魚)、体づくりの材料になるたんぱく質、便秘を防ぐ食物繊維も意識したい栄養です。妊娠初期の栄養や食事のとり方は妊娠初期に必要な栄養と食事にくわしくまとめています。
うっかり食べてしまったときは
「知らずに生ハムを食べてしまった」「お酒を少し口にしてしまった」——そんなときも、まずは慌てないことが大切です。多くの場合、一度少量を口にしただけで大きな問題につながることはまれとされています。過度に自分を責めず、これからの食事で気をつければ大丈夫です。体調に不安があるときや、心配が続くときは、かかりつけの医師に相談してください。
【早見表】妊娠中の食べ物OK/NG
| 食べ物 | 判定 | ポイント |
|---|---|---|
| アルコール | ✕ 避ける | 量にかかわらず控える |
| 生ハム・生肉・レアな肉 | ✕ 避ける | よく加熱すればOK |
| 生卵・生牡蠣・スモークサーモン | ✕ 避ける | 加熱したものを選ぶ |
| 海外産の無殺菌チーズ | △ 注意 | 加熱すれば可/日本産は基本OK |
| 大型魚(マグロ等) | △ 量に注意 | 週1〜2回程度が目安 |
| レバー・うなぎ | △ 頻度に注意 | 時々ならOK |
| カフェイン | △ 量に注意 | コーヒー1〜2杯まで |
| はちみつ・新鮮な刺身・日本産チーズ | ◯ 食べてOK | 適量なら問題なし |
| 葉酸・鉄分・カルシウムを含む食品 | ◎ 積極的に | 不足しやすく大切 |
妊娠中の食べ物でよくある質問
Q. はちみつは食べても大丈夫ですか?
はい。乳児ボツリヌス症は1歳未満の赤ちゃんに関わるもので、妊婦さんが食べても問題ないとされています。
Q. お刺身やお寿司は食べられますか?
新鮮なものを信頼できるお店で適量なら食べられます。マグロなど大型魚は頻度に気をつけましょう。
Q. 葉酸は食事だけで足りますか?
葉酸は熱や水に弱く、食事だけでは目安量に届きにくい栄養です。不足しやすい分は葉酸サプリで補うと安心です。必要な量は葉酸は1日どれくらい必要?も参考にしてください。
まとめ|「避けるものだけ避けて、葉酸などはしっかり摂る」
ここまで見てきたように、本当に避けたいのはアルコールと加熱不十分な生もの、そしてビタミンAやカフェインのとりすぎくらいです。それ以外は量や加熱を意識すれば食べられるものが多く、我慢ばかりの食生活にする必要はありません。あわせて、赤ちゃんの体づくりに大切で不足しやすい葉酸などは、葉酸サプリの選び方・比較を参考に無理なく補いましょう。体質や持病によって注意点は変わるので、判断に迷うときはかかりつけの医師や助産師にたずねてください。