吐き気で何も手につかない、においがつらくて台所に立てない、いつまで続くのか先が見えない——つわりの時期は、心身ともに本当に大変ですよね。「食べられないけれど赤ちゃんは大丈夫?」と不安になる方も多いはずです。つわりには個人差が大きく、これといった特効薬はありませんが、ちょっとした工夫で少しラクになることもあります。この記事では、つわりの時期の目安と、無理なく乗り切るための対策、食べ物のヒント、そして受診したほうがよいサインまでを整理します。つらいときは我慢しすぎず、医師や助産師にも相談してください。
つわりはいつから・いつまで?
つわりは、一般的に妊娠5〜6週ごろから始まり、8〜10週ごろにピークを迎え、12〜16週ごろに自然と落ち着いていくことが多いとされています。ただし、これはあくまで目安です。妊娠中期を過ぎても続く人、ほとんど感じない人、途中でぶり返す人など、症状の重さも期間も人によってさまざまです。「みんなと違う」と不安にならず、自分の体調に合わせて過ごすことが大切です。原因ははっきりとは分かっていませんが、妊娠にともなうホルモンの変化が関係していると考えられています。
つわりにはいろいろな種類がある
つわり=吐き気、というイメージが強いですが、実際には次のようにいろいろなタイプがあります。複数が重なることもあります。
- 吐きづわり:吐き気や嘔吐が続くタイプ。もっとも一般的です。
- 食べづわり:空腹になると気持ち悪くなり、何か食べていないとつらいタイプ。
- においづわり:ごはんの炊けるにおいや特定の香りで気分が悪くなるタイプ。
- 眠りづわり:日中も強い眠気やだるさが続くタイプ。
- よだれづわり:唾液が増えて不快に感じるタイプ。
自分がどのタイプかを知っておくと、対策を選びやすくなります。
つわりを少しでも楽にする対策
食事は「少しずつ・空腹を避ける」
空腹になると吐き気が強まることがあるため、1日3食にこだわらず、少量を5〜6回に分けて食べるのがおすすめです。食べたいと思えたタイミングで、口に入りそうなものを少しだけ、で十分です。この時期は「バランスよく」より「食べられるものを優先」で大丈夫です。
朝の吐き気には、起きる前にひと口
朝起きた直後は吐き気が強く出やすい時間帯です。枕元にクラッカーやビスケットを置いておき、起き上がる前に少し口に入れると、気分が和らぐことがあります。
においつわりの工夫
においが気になるときは、マスクをする、こまめに換気する、料理を少し冷ましてから食べる、といった工夫が役立ちます。温かい料理は湯気とともににおいが立ちやすいので、冷たいメニューにすると食べやすいこともあります。
水分をこまめにとる
食べられなくても、水分だけはこまめにとるように心がけましょう。水やお茶が飲みにくいときは、氷、経口補水液、果物、ゼリーなどからでも構いません。水分もとれない状態が続くときは、後述のとおり早めの受診が必要です。
無理をせず休む
つわりの時期は、心身を休めることも立派な対策です。家事を完璧にこなそうとせず、周りに頼れるところは頼りましょう。仕事がつらいときは、母性健康管理の制度を使って勤務を調整できる場合もあります。
つわり中に食べやすいもの・控えたいもの
| 食べやすいとされるもの | 控えたほうがよいもの |
|---|---|
| 冷たい果物、ゼリー、シャーベット | 脂っこいもの・揚げ物 |
| おにぎり、パン、うどん、そうめん | 香辛料の強い料理 |
| 冷ややっこ、冷たい麺類 | においの強い料理 |
| トマトやきゅうりなど水分の多い野菜 | アルコール(妊娠中は不可) |
ビタミンB6が不足すると吐き気と関連することがあると知られており、バナナ・かつお・鶏むね肉などに含まれます。ただし食べられないときに無理をする必要はなく、あくまで「食べられそうなら」で十分です。詳しい妊娠中の食べ物の可否は妊娠中に食べていい物・ダメな物にまとめています。
食べられないとき、栄養と葉酸はどうする?
「ほとんど食べられないけれど、赤ちゃんの栄養は足りている?」という心配はとても多いです。つわりの時期は、赤ちゃんはお母さんの体に蓄えられた栄養で育つため、一時的に食べられなくても過度に心配しなくてよいとされています。まずはお母さんが水分をとり、体を休めることが優先です。
一方で、葉酸のように「食事では摂りにくいけれど、この時期に大切」な栄養もあります。葉酸は赤ちゃんの神経の土台がつくられる妊娠初期に必要で、厚生労働省も通常の食事に加えて1日400μgを目安として示しています。粒が飲みにくいときは小さめのタイプを選ぶ、飲む時間帯を体調のよいときにずらすなど、サプリなら体調に合わせて取り入れやすい面があります。選び方は葉酸サプリの選び方・比較を、この時期全体の栄養は妊娠初期に必要な栄養と食事を参考にしてください。
こんなときは早めに受診を(妊娠悪阻のサイン)
つわりの多くは経過とともに落ち着きますが、症状が重くなると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」として治療が必要になることがあります。次のようなサインがあるときは、我慢せず早めに医療機関を受診してください。
- 水分もほとんどとれず、1日に何度も吐いてしまう
- 体重が短期間で大きく減った(目安として5%以上)
- 尿が出にくい、量が減った、立ちくらみが強い
- 吐いたものに血が混じる
医療機関では、点滴で水分や栄養を補ったり、体調に合わせて吐き気止めを使ったりといった対応があります。「これくらいで受診していいのかな」とためらう必要はありません。つらいときは相談してよいのです。
つわりでよくある質問
Q. 食べられないと赤ちゃんに影響しますか?
つわりの時期は、一時的に食べられなくても過度に心配しなくてよいとされています。まずは水分をとり、体を休めることを優先しましょう。水分もとれないときは受診してください。
Q. つわりが軽い・ないと不安です。大丈夫ですか?
つわりの有無や重さには大きな個人差があり、軽い・ないこと自体は心配のサインではありません。気になるときは健診で相談してみましょう。
Q. つわり中でも葉酸サプリは飲んだほうがいいですか?
葉酸はこの時期に大切な栄養です。飲めそうなら続けたいですが、どうしても受けつけないときは無理をせず、体調が戻ってからで構いません。選び方は葉酸サプリの選び方・比較を参考にしてください。
まとめ|つわりは「無理をせず、つらいときは頼る」
つわりの時期は、完璧を目指さず、食べられるものを食べられるときに、水分をとって休むことが基本です。少量ずつ食べる、においを避ける、朝は起きる前にひと口——こうした小さな工夫で、少し過ごしやすくなることもあります。食事が難しい時期でも、葉酸のように大切な栄養は葉酸サプリで体調に合わせて補えます。ただし、水分すらとれない・体重がぐんと落ちたというときは、ためらわず医療機関へ。つらさを一人で抱えないでくださいね。