「飲むたびにタラッと吐く」「勢いよく吐いてびっくりした」——吐き戻しは、新生児期の心配ごとの定番です。着替えと洗濯が増えるのも地味にこたえます。
先にお伝えすると、吐き戻しの大半は赤ちゃんの胃の構造によるもので、機嫌がよく体重が増えていれば心配いりません。生後2〜3ヶ月をピークに、首がすわり離乳食が始まるころには自然に減っていきます。この記事では、原因と今日からできる5つの対策、受診が必要なサインを解説します。
吐き戻しの原因:赤ちゃんの胃は「とっくり型」
赤ちゃんの胃はとっくりのような縦長の形で、胃の入り口(噴門)を締める筋肉も未発達です。このため、げっぷ・体勢の変化・お腹への軽い圧迫といったちょっとした刺激で、飲んだミルクが逆流します。加えて哺乳中に空気を一緒に飲み込みやすく、その空気が出るときにミルクも一緒に上がってきます。つまり吐き戻しは「体の仕様」であって、育て方の失敗ではありません。
今日からできる5つの対策
①げっぷをしっかり出す
授乳後、縦抱きにして背中を下から上へさすります(トントンより「さすり上げ」が出やすい子もいます)。5分出なければ一旦やめてOK。出ないときは、しばらく縦抱きのままにする・寝かせるときに頭側を少し高くするだけでも吐き戻しは減ります。
②飲ませる角度と乳首を見直す
哺乳瓶を寝かせた角度で飲ませると、乳首に空気が混ざって飲み込む空気が増えます。乳首の中がミルクで満ちる角度をキープしてください。穴が大きすぎる乳首は流量が多く、むせ・飲みすぎ・空気の飲み込みの原因になります。
③1回量が多すぎないか確認する
毎回大量に吐く場合、そもそも1回量が多い可能性があります。月齢別の量の早見表と缶の表示を確認し、多いようなら1回量を減らして回数を増やしてみてください。
④飲んだ直後に体勢を変えない
授乳直後のおむつ替え・沐浴・うつ伏せ遊びは吐き戻しの定番トリガーです。飲んでから20〜30分は縦抱きか上体を起こした姿勢で過ごさせると、かなり減ります。
⑤ゆっくり飲ませる
泣かせてから慌てて飲ませると、勢いよく吸って空気も大量に飲みます。泣き始める前の空腹サインで飲ませ始め、途中で一度休憩を挟んで軽くげっぷをさせる「2段階方式」も有効です。
いつまで続く?目安は生後3ヶ月、遅くとも離乳食のころ
吐き戻しのピークは生後1〜2ヶ月で、首がすわる生後3〜4ヶ月ごろから減り始め、お座りが安定し離乳食が進む生後6〜7ヶ月にはほとんど気にならなくなるのが一般的な経過です。6ヶ月を過ぎても続く場合でも、体重が増えて機嫌がよければ経過観察で問題ないことがほとんどですが、健診時に相談しておくと安心です。
受診が必要なサイン
- 噴水のように勢いよく吐くことを繰り返す(特に生後2週〜2ヶ月ごろ)
- 吐いたものが緑色(胆汁様)、または血が混じる
- 体重が増えない・減っている
- ぐったりしている、おしっこが少ない、発熱を伴う
- お腹がパンパンに張って苦しそう
これらは「ただの吐き戻し」とは別の原因が隠れていることがあるサインです。当てはまるときは小児科を受診してください。判断に迷う夜間は#8000(子ども医療電話相談)へ。
吐き戻し対策は「準備の仕組み化」も効く
泣かせてから慌てて作る→勢い飲み→空気ごと→吐く、という悪循環は、調乳の待ち時間を短くするだけでかなり切れます。夜間ならお湯の準備を仕組み化しておくのが有効です(夜間のミルク作りを楽にする方法・粉ミルクの事前準備のコツ)。
よくある質問
吐いた後、ミルクを作り直して飲ませていいですか?
機嫌がよく欲しがるなら、少し時間を置いてから少量ずつ飲ませて構いません。吐いた直後にすぐ全量を飲ませ直すと、また吐きやすくなります。ぐったりしている・繰り返し吐くときは飲ませずに受診してください。
げっぷが出ないまま寝てしまいました。大丈夫?
毎回必ず出るものではないので大丈夫です。心配なら、顔を横に向けて寝かせる・頭側をタオルなどでわずかに高くする、で吐き戻し時の対策になります。
吐き戻しが多いのはミルクが合っていないからですか?
ほとんどの場合、銘柄より飲み方・空気・量の問題です。ただし吐き戻しに加えて湿疹・下痢・血便などがある場合はアレルギーの可能性もあるため、小児科に相談してください。
まとめ
吐き戻しの大半は、とっくり型の胃という「体の仕様」によるもので、げっぷ・角度・量・授乳後の姿勢・飲むスピードの5つの対策でかなり減らせます。ピークは生後1〜2ヶ月、3〜4ヶ月から自然に減っていくのが通常の経過です。機嫌と体重が保てていれば大丈夫。噴水状の嘔吐や緑色の吐物など危険サインのときだけ、すぐ受診してください。