左(図1-A):新生児早期の中枢・末梢深部体温、心拍数、行動(睡眠/覚醒/啼泣)の記録。生後3時間目頃から↑印で示した間歇的な啼泣と、心拍数の増加、中枢体温の僅かな上昇が観察された。その後、児は睡眠状態に入り心拍数は120/分前後に安定、末梢体温は上昇、中枢体温は緩やかに下降した。生後4時間20分には中枢体温は36.8℃まで下降、それを境に児は突然泣き出し、体温は37.2℃まで上昇した。その後、児は再び睡眠状態となり、心拍数の安定/末梢体温の上昇/中枢体温の下降が認められた。右(図1-B):生後19時間目以後の記録。末梢深部体温のリズミカルな体温変動、中枢深部体温の安定(恒温状態)が記録された。末梢深部体温の上昇時には、心拍数の減少と睡眠が、下降時には心拍数の増加と覚醒が観察された。

 仰向け寝からうつ伏せ寝への体位変換が、児の体温調節と衣服内温度(腹部側、背中側)におよぼす影響。仰向け寝では、背部側の衣服内温度は中枢体温と同値で、腹部側より高値を示した。体位変換に一致して末梢体温(赤)の著しい上昇を認めたが、中枢体温は一定であった。また、腹部側衣服内温度も急上昇し中枢体温よりも高くなった。一方、背部側温度は下降した。仰向け寝では、腹部側衣服内温度は、うつぶせ寝の背部側衣服内温度より高いことから、放熱量は背部側より腹部側からの方が多い事がわかった。

 睡眠中の赤ちゃんに、着せ過ぎをさせた時の衣服内温度と深部体温の変化。衣服内温度は着せ過ぎ前では35℃〜36℃前後であったが、着せ過ぎ後では次第に上昇した。帽子装着による刺激で啼泣した直後の衣服内温度は、急激に上昇し、中枢深部体温より高くなった。末梢体温は着せ過ぎ後から緩やかに上昇したが、中枢体温はほぼ一定であった。