お産を科学する
-検証 ニッポンのお産-
お産は痛いのが当たり前、
赤ちゃんは黄疸が出て当たり前、
その「当たり前」が、我国のお産と赤ちゃんの常識です。
しかし、
お産を科学すると、その常識の中に非常識が多い事に気付かれるでしょう。
 我国が抱える問題のひとつに少子化があります。人口を増やすための努力が必要であることは云うまでもありません。しかし、元気に生まれた赤ちゃんが障害児になったり、乳幼児突然死症候群(SIDS)で生命を絶つことは、少子化以上に大きな社会問題です。それらに歯止めをかけるために我々産科医は何に注意すればいいのかを考えてみました。
1) お産に科学を:アメリカ同様に産科麻酔(医)を導入する。
2) 赤ちゃんに予防医学を導入する。―発達障害から赤ちゃんを守るために―
3) SIDSはうつ伏せ寝や着せ過ぎ(=放熱障害)などによる高体温から身を守るための体温調節機構のトラブル(産熱抑制=筋弛緩)が原因である事を世に知らせ注意を促す。
SIDS予防7箇条を提言 ―当院のホ−ムページSIDSを参照―
―上記3項目をかかげた理由について―
1) お産に科学を
 我国では科学が発達した今もなお、昔ながらの痛いままのお産が主流です。しかし、その過度な痛みを我慢することは母児に不利益であることが分かってきました。また、現代の妊婦さんの殆どが少しでも楽な満足いくお産を望まれています。安全で痛くない満足いくお産を普及させるためにも、我国でも産科麻酔(医)の導入が望まれているのです。
 欧米先進国では、産科医と麻酔医が一緒にお産を管理します。そして、プロ(麻酔医)の手によってお産の痛みを取るための産科麻酔(無痛分娩)が安全に行われています。しかし、我国では麻酔医が少ないために、多くは痛いままのお産が当然の様に行われているのが実状です。麻酔医は痛みを取るだけが専門ではなく、母児の全身管理(呼吸、循環、体温)のプロなのです。安全で痛くない満足いくお産、予期せぬトラブルから母児を守るためにも、アメリカ同様、産科麻酔医の養成が望まれます。麻酔医を増やすことによって安全で満足いくお産を提供し、事故から母児を守ることも少子化対策のひとつなのです。
 安全医療そして予防医学こそが先端医療の原点であり、医療事故を減らし無駄な医療費の削減のためにも産科麻酔医の導入を急がなければなりません。