モノグルタミン酸型とは?葉酸の種類の違いと「天然・合成」の誤解を解説

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葉酸サプリを選んでいると、「モノグルタミン酸型葉酸」という言葉をよく目にします。

「これは何?」「天然のほうが体にいいんじゃないの?」「合成って書いてあると不安…」

葉酸の“種類”は、商品選びでつまずきやすいポイントです。しかも、ここには多くの人が誤解しがちな落とし穴があります。

この記事では、葉酸の2つのタイプの違いと、なぜ厚生労働省が妊娠前後に「モノグルタミン酸型」をすすめているのか、そして「天然=良い・合成=悪い」という思い込みについて、産婦人科医の立場から整理します。

モノグルタミン酸型を配合した葉酸サプリを選びたい方は → 葉酸サプリおすすめ18選

目次

葉酸には2つのタイプがある

葉酸は、結合のしかたによって大きく2つのタイプに分けられます。

  • ポリグルタミン酸型:複数のグルタミン酸が結合した形。食品に含まれる葉酸(食事性葉酸)は、ほとんどがこのタイプです。
  • モノグルタミン酸型:グルタミン酸が1つ結合した形。化学名を「プテロイルモノグルタミン酸」といい、サプリメントや強化食品に使われる葉酸がこのタイプです(※1)。

ほうれん草や枝豆などの食品から摂る葉酸は「ポリグルタミン酸型」、葉酸サプリで摂る葉酸は「モノグルタミン酸型」、と整理すると分かりやすいでしょう。

なぜサプリは「モノグルタミン酸型」なのか

ここが、この記事のいちばん大切なところです。

食品に含まれるポリグルタミン酸型の葉酸は、そのままでは吸収されません。体内の消化酵素によって、いったんモノグルタミン酸型に分解されてから、小腸で吸収されるというしくみになっています(※1)。

この変換の過程があるぶん、食事性葉酸は、はじめからモノグルタミン酸型であるサプリの葉酸に比べて、体内での利用効率(生物学的利用能)が低くなります。厚生労働省の食事摂取基準では、**食事性葉酸の利用効率は、モノグルタミン酸型の約50%**と見積もられています(※2)。

つまり、同じ「葉酸400μg」でも、食品から摂る場合とサプリから摂る場合では、実際に体で使える量が変わってくるということです。

だからこそ、神経管閉鎖障害のリスク低減のように「確実に一定量を届けたい」場面では、厚生労働省は利用効率の高いモノグルタミン酸型を、通常の食品以外(サプリ等)から1日400μg摂ることをすすめています(※2)。妊活中・妊娠初期の葉酸サプリに「モノグルタミン酸型」と書かれているのは、この推奨に沿っているからです。

「食事240μg+サプリ400μg」という量の考え方は、こちらで詳しく解説しています。 → 葉酸は1日どれくらい必要?摂取量の目安と「摂りすぎ」の上限を産婦人科医が解説

「天然=良い・合成=悪い」ではない

葉酸の種類でよくある誤解が、「天然葉酸のほうが、合成葉酸より体にいい」というイメージです。

確かに、食品由来の葉酸は「天然」、サプリのモノグルタミン酸型は化学的に合成されるため「合成」と表現されることがあります。すると「合成は避けたい」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、ここは冷静に整理しておきたいところです。

厚生労働省が妊娠前後にすすめているのは、まさにこの「モノグルタミン酸型(=いわゆる合成葉酸)」のほうです。 理由はこれまで見てきたとおり、利用効率が高く、必要量を確実に届けやすいからです。「天然だから優れている」「合成だから劣っている」という単純な話ではありません。

大切なのは、イメージや言葉の響きではなく、「妊活中・妊娠初期に望まれるのはモノグルタミン酸型の葉酸である」という事実です。商品の宣伝文句に「天然」とあっても、実際にどのタイプの葉酸が、どれくらい入っているかを成分表示で確認することが、何より重要です。

なお、製品によっては「活性型葉酸(5-MTHF)」を配合したものもあります。ただし、公的な推奨の根拠とされているのはモノグルタミン酸型(プテロイルモノグルタミン酸)ですので、まずはこのタイプが基準量入っているかを確認するとよいでしょう。

商品を選ぶときに確認したいこと

葉酸の種類を踏まえて、サプリを選ぶときの確認ポイントを整理します。

  • 「モノグルタミン酸型」の表記があるか:妊活中・妊娠初期向けの葉酸サプリでは、この表記が一つの目安になります。
  • 1日あたりの葉酸量:妊活中・妊娠初期なら、サプリ等から400μgが目安です。
  • 「天然」などのイメージ語に惑わされない:宣伝文句ではなく、成分表示の中身を見る。
  • ほかの栄養素との配合:鉄分やビタミン類など、必要に応じて確認する。

葉酸の“種類”は、商品を比べるときの大切な判断軸の一つです。ここを押さえておくと、価格やイメージだけに流されず、自分に合ったサプリを選びやすくなります。

まとめ

  • 葉酸には、食品に多いポリグルタミン酸型と、サプリに使われるモノグルタミン酸型がある
  • 食事性葉酸は体内でモノグルタミン酸型に変換されてから吸収されるため、利用効率はモノグルタミン酸型の約50%
  • だから厚生労働省は、妊活中・妊娠初期にモノグルタミン酸型をサプリ等から400μg摂ることをすすめている
  • 「天然=良い・合成=悪い」は誤解。推奨されているのはモノグルタミン酸型(いわゆる合成葉酸)
  • 商品はイメージ語ではなく、成分表示でタイプと量を確認して選ぶ

葉酸の種類は、知っていると商品選びの軸がぶれなくなる知識です。「モノグルタミン酸型かどうか」「400μg入っているか」を確認できれば、サプリ選びはぐっとシンプルになります。

種類と量を踏まえて、実際の商品を比べたい方はこちらへ。 → 妊活中におすすめの葉酸サプリ比較5選【2026年】失敗しない選び方と人気商品を徹底解説

なぜ妊娠前から葉酸が必要なのか、基本から知りたい方はこちら。 → なぜ妊娠前から葉酸が必要なのか|赤ちゃんの神経の土台と神経管閉鎖障害


参考文献・出典

  • ※1 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報(葉酸のポリグルタミン酸型・モノグルタミン酸型と吸収に関する記載)
  • ※2 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(食事性葉酸の生物学的利用能、妊娠を計画している女性等への400μgの記載)

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