妊娠がわかって、「これから何を食べればいいの?」「これは食べても大丈夫?」と急に不安になっていませんか。妊娠初期は、赤ちゃんの体の土台がつくられる大切な時期です。とはいえ、神経質になりすぎる必要はありません。ここでは、妊娠初期に意識したい栄養素と、控えておきたい食べ物を、やさしく整理します。体調やもともとの持病によって注意点は変わるため、気になることは医師や助産師にも相談してください。
妊娠初期に特に意識したい栄養素
妊娠初期は、量より栄養の質を意識したい時期です。つわりで食べられないこともあるので、「完璧に摂る」より「不足しやすいものを知っておく」くらいの気持ちで大丈夫です。
葉酸——赤ちゃんの「神経の土台」をつくる
妊娠初期にまず意識したいのが葉酸です。赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる「神経管」がつくられる時期に葉酸が不足すると、神経管閉鎖障害のリスクが高まると考えられています。神経管がつくられるのは妊娠のごく初期のため、妊娠がわかったら早めに意識したい栄養素です。
厚生労働省は、妊娠を計画している方や妊娠初期の方に、通常の食事に加えて1日400μgの葉酸(モノグルタミン酸型)を目安として示しています。葉酸はほうれん草などの緑黄色野菜や果物にも含まれますが、熱や水に弱く、食事だけでは目安量に届きにくいのが実際のところです。詳しい量は葉酸は1日どれくらい必要?、多く含む食品は葉酸が多い食品も参考にしてください。食事で足りない分をサプリで補う場合の選び方は、葉酸サプリの選び方・比較にまとめています。
鉄分——貧血を防ぐ
妊娠すると血液量が増え、鉄分が不足して貧血になりやすくなります。赤身の肉や魚、大豆製品、小松菜などに多く含まれます。ふらつきや疲れやすさが気になるときは、鉄分を意識してみましょう。
カルシウム——骨や歯のもとに
赤ちゃんの骨や歯をつくる材料になります。牛乳・乳製品、小魚、大豆製品などから摂れます。乳製品が苦手なら、豆腐や小魚で補うのも一つの方法です。
たんぱく質——体づくりの材料
赤ちゃんの体や内臓がつくられる材料です。肉・魚・卵・大豆製品などから、しっかり加熱してバランスよく摂りましょう。
ビタミンD——カルシウムの働きを助ける
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素です。鮭やさんまなどの魚、きのこ類に含まれ、適度に日光を浴びることでも体内でつくられます。屋内で過ごす時間が長い方は、食事でも意識してみましょう。
食物繊維と水分——便秘を防ぐ
妊娠初期はホルモンの影響で便秘になりやすい時期です。野菜・海藻・きのこ・豆類などの食物繊維と、こまめな水分補給を意識すると、おなかの調子を保ちやすくなります。
「たくさん」より「バランス」を意識する
どれか一つを大量に摂るより、主食・主菜・副菜をゆるくそろえるのが基本です。サプリで補うのは、食事だけでは不足しやすい葉酸などにとどめ、自己判断で何種類も重ねないようにしましょう。
妊娠初期に控えたい・注意したい食べ物
「食べてはいけない」と身構えるより、量や加熱に気をつければ大丈夫なものが多いです。代表的なものを挙げます。
ビタミンAの摂りすぎ(レバー・うなぎ)
レバーやうなぎに多いビタミンA(レチノール)は、妊娠初期に摂りすぎると赤ちゃんの形態に影響する可能性が指摘されています。レバーは頻度を控えめにし、サプリでビタミンAを大量に足さないよう注意しましょう。
生もの・加熱が不十分な食品
刺身・生ハム・加熱していないナチュラルチーズ・生卵などは、リステリアやトキソプラズマなどの感染リスクがあります。肉・魚・卵はしっかり加熱すると安心です。
水銀が多めの一部の魚
一部の大型魚は水銀が多めなため、種類と頻度に気をつけましょう。魚は良質なたんぱく質源なので、避けすぎず、種類を選んで食べるのがポイントです。
カフェイン・アルコール
カフェインは1日1〜2杯程度を目安に、カフェインレスに置き換えるのもおすすめです。アルコールは、量にかかわらず妊娠中は控えるのが基本なので、妊娠がわかったらやめましょう。
妊娠初期の1日の食事例(無理のない目安)
「何を食べればいいか分からない」ときは、まず主食・主菜・副菜をゆるくそろえるところから始めましょう。以下は、栄養バランスをイメージするための一例です。体調や好みに合わせて、無理のない範囲で取り入れてください。
| 時間 | メニュー例 | 意識したい栄養 |
|---|---|---|
| 朝 | ごはん、納豆、ほうれん草のおひたし、味噌汁 | 葉酸・たんぱく質 |
| 昼 | 鮭のソテー、ブロッコリー、豆腐とわかめの汁物 | ビタミンD・葉酸・カルシウム |
| 夕 | 赤身の肉か魚、小松菜の炒めもの、きのこの副菜 | 鉄分・食物繊維 |
| 間食 | ヨーグルト、果物(いちご・キウイなど) | カルシウム・葉酸 |
すべてを完璧にそろえる必要はありません。食事だけで葉酸を目安量まで摂るのは難しいため、不足しがちな葉酸は葉酸サプリで補うと安心です。
つわりで食べられないときの栄養の考え方
つわりで思うように食べられない時期は、無理をしないことが一番です。食べられるものを、食べられるときに、で構いません。水分がとれない、体重が大きく減るといったときは、早めに受診してください。
葉酸のように「食事では摂りにくいけれど大切」な栄養は、体調に合わせてサプリで確保しやすい面もあります。粒が飲みにくいときは小さいタイプを選ぶ、飲む時間帯を変えるといった工夫もあります。
食べやすいとよく挙げられるのは、冷たいもの、さっぱりした果物、おにぎりやパンなどの炭水化物、ゼリーやスープなどです。においが気になるときは、温かい料理を少し冷ますと食べやすくなることもあります。無理に「バランスよく」と考えず、この時期は食べられるものを優先して構いません。
妊娠初期の食事でよくある質問
Q. 葉酸はいつまで摂ればいいですか?
神経管がつくられる妊娠初期が特に大切ですが、その後も妊娠中〜授乳期に意識する考え方があります。詳しくは葉酸サプリはいつからいつまでをご覧ください。
Q. 妊娠に気づかず、葉酸を摂っていませんでした。大丈夫でしょうか?
気づいた時点から始める意味はあります。あわてず、これからの食事とサプリで補いましょう。妊娠してから葉酸では遅い?も参考にしてください。
Q. サプリと食事、どちらを優先すべきですか?
基本は食事で、食事だけでは不足しやすい葉酸などをサプリで補う、という順番が分かりやすいです。
まとめ|妊娠初期は「葉酸を軸に、避けるものだけ避ける」
妊娠初期の食事は、完璧を目指すより「葉酸を意識し、ビタミンAの摂りすぎ・生もの・アルコールなど避けたいものだけ避ける」で十分です。つわりの時期は無理をせず、食べられるものから。葉酸のように食事で摂りにくい栄養は、葉酸サプリの選び方・比較を参考に、続けやすい1本で補いましょう。気になる症状や持病があるときは、医師・助産師に相談してください。